米ビルボードのシングルチャートで1位となるなど、世界的に人気がある韓国のK―POPグループ「BTS(防弾少年団)」の兵役問題に関する議論が、韓国国会で本格化している。

 与党「共に民主党」の最高委員会では5日、盧雄来最高委員が「BTSは全米で1位となり、1兆7000億ウォン(約1550億円)の経済波及効果を生み出した。メンバーを兵役免除特例の対象にすることについて、真剣に議論すべき。国防の義務は国民の使命だが、皆が必ずしも銃を持たねばならないわけではない」と語った。

 兵役免除は五輪メダリストなどのスポーツ選手、クラシックなど芸術音楽分野の国際コンクールで優勝した者などに資格が与えられてきたが、ポップス、大衆芸能のアーティストには認められていない。

 盧氏は反対派の存在を踏まえて「客観性、公正性が懸念されるのであれば、専門家による審議委員会を設置し、判断すればいい」とし、兵役法改正案を準備中だという。

 韓国では18歳以上の男子は原則28歳までに2年間の兵役が義務づけられている。大学、大学院生や研修機関研修生、スポーツ分野の優秀者などには入隊の延期が認められてきた。

 BTSの最高齢メンバーのJIN(27)がまもなく28歳を迎え、今後は他のメンバーにも関わる。メンバーらは「いつでも招集がかかれば応じる」としている。

「若者を中心にBTSの入隊延期に賛成する声は多いが、兵役免除には反対派がかなりいる。過去にはウソの病気で兵役を免れた俳優がバッシングされた。ポップスや俳優は基準が分かりにくいので、法改正までにはまだ議論が続くでしょう」(韓国メディア関係者)

 すでに別の議員からは「大衆芸能分野の優秀者は満30歳までの入隊に延期する」という改正法案が国会提出されている。

 BTSの世界的活躍で法律が改正されそうなことから〝BTS法案〟とも報じられているが、果たしてどうなるか…。