下北沢で最大規模のライブハウス「下北沢GARDEN」が、今月18日をもって閉店することを発表した。コロナ禍の厳しい状況で営業を継続してきたものの、テナント権利者との協議が不成立となったためだ。

 19日以降に予定されていた公演は日時、会場を振り替えて開催または、中止する。25日以降「GARDEN 三宿BRANCH」(仮)と改称して、東京・世田谷にある国立音楽院の地下ライブスペースで、当面は配信をメインにするという。

 日本を代表するメタルバンドANTHEMでデビューし、SUPERBLOODなどで活躍するドラマーの大内“MAD”貴雅は、デビュー35周年ライブがコロナ禍で延期になった上に、会場が閉店になってしまったつらい思いをこう語る。

「デビュー35周年ということで、鼻息も荒くスタートした2020年でしたが、まさかこんなことになるなんて! 画策した記念イベントの会場である下北ガーデンの閉店も残念でなりません。ニューウエーブとオールドスクールの汽水域という感じで、ありがたいライブハウスだったのに…。これもしようがないコロナ禍です。しかし、めげてばかりもいられません。残っているライブハウスも、配信と人数制限ライブの2本立てで頑張っています」

 また、元ZIGGYで、Shammonなどで活躍するドラマーの大山正篤はこう話す。

「ほとんどの会場が配信システムを導入し、全国各地からリアルタイム(アーカイブがあれば後からでも)でライブ視聴ができるようになってきました。今後はリアルライブにこだわる方々と、自宅で気楽に楽しむ方々の二極化が進むでしょう。また、現段階では配信のクオリティーにかなりの差があるのが実情なので、クオリティーの高い会場が生き残っていくのではないでしょうか」

 コロナ禍はライブのあり方を変えている。