女優の大竹しのぶ(63)が30日、東京・千代田区の東京会館で行われた舞台「女の一生」(11月2日~26日、新橋演舞場)製作発表会見に出席した。

 同作は昭和20年4月の終戦直前に劇作家の森本薫が書き下ろし、女優の杉村春子が初演した。
 
 登壇した大竹は「昔、杉村さんと共演したことがあります。そこで芝居中に空襲警報が鳴るとか、後ろにお巡りさんが立って、不穏なセリフがないか見張っていたというお話を聞き『あなたはいいわね、自由な時代に生まれて、自由な芝居ができるんだもの、頑張りなさいね』と声を掛けられたことを思い出しました」と明かす。

「いつもだったら(芝居作りで)ああでもないこうでもない、しているんですが。(コロナ禍で)不自由な時代に突入したんですが、できるだけの条件の中で、生き生きと生きられるような芝居をみんなで作っていきたいと思います」と意気込んだ。

 演出・出演の段田安則(63)は「(終戦直前の)渋谷道玄坂で行われた初演はノーギャラで行わたそうです。今回はギャラはあります」と冗談で軽く笑いを誘いながらも「(空襲の)警報が鳴ると、一度、お客を出し、演者も避難して、収まるとまた再開したそうです。今回のコロナの状況を考えると、舞台に立てるのは当たり前ではないんだと。今回の命がけでやりたいと思っております」と力を込めた。

 その後、高橋克実(59)が「この中で僕が1番年下です」と言うと、大竹は「なんでそんなこと言うのよ」とツッコミ。風間杜夫(71)も「高橋克実が演じる堤栄二役はどうなんでしょうか? この芝居の成功を左右すると思います」と高橋のひょうきんなキャラクターを笑いにし、チームワークの良さをうかがわせた。

 杉村春子の当たり役「布引けい」を演じることを聞かれると、大竹は「残念なことに両方、観ていなくて。どんなお芝居をしていたのかわからないんですが、私なりの『けい』を演じなくてはいけないなと思っています。『あの杉村春子がやった布引けい』と言われるプレッシャーがあるんですけど、大丈夫、頑張ります」と誓った。