酒で失敗した男がまたもや酒を…。元TOKIOの山口達也容疑者(48)が、大型バイクの酒気帯び運転で事故を起こし現行犯逮捕された。依存症治療を専門とする東京・豊島区のライフサポートクリニックの山下悠毅院長はこう語る。

「なぜ山口さんはこのたびの事件を起こしてしまったのか、と聞かれたら、答えは『世の中にアルコールがあるから』となります。そもそも、なぜ飲酒運転が法律で禁止されているのかというと、人は酔うと判断能力が落ちるからです」

 酔っぱらったがゆえの失敗経験は誰にもあるだろう。SNSで暴言を吐いてしまった、秘密を漏らしてしまった、普段は行かないようなお店で大金を使ってしまった、などなど。

 山下院長は「であるならば、酔った際に『今から運転をしてもいいか否か』の判断ができなくなってしまう人も一定の確率で出てしまうのです。もちろん、何か問題を起こした際に『酔っていたから』は言い訳にはなりません。しかし、だからといって今回のような事件を『けしからん』とか『全く反省していない』と裁いたところで、被害者や加害者が減らないことは歴史が証明しているのです」と言う。

 それにしても、山口容疑者がまたもや酒で失敗とは…。

「残念ながら、山口さんはアルコール依存症を患っていると診断されます。アルコール依存症という疾患は、自身の力で酒量の調整が効かないだけでなく、意志の力でお酒を止めても、今度は頑固な不眠や手の震えなどの離脱症状に悩まされるのです」(同)

 ただそんな中、アルコール依存症の治療は進化している。

 山下院長は「昨今では『絶対に飲むな』という断酒一辺倒な治療だけでなく、『まずは酒量の低減から』という減酒をサポートする薬剤も発売されており、多くの方が減酒を経ての断酒に成功しています。こうした事件が報道されると、どうしても加害者を裁く方が多いのですが、新たな被害者を生まないためにも、加害者は適切な専門医療を受けることが大切だと言えるのです」と指摘している。