大阪・毎日放送主催の「歌ネタ王決定戦2020」(16日午後8時)で決勝進出を果たしたピン芸人・お見送り芸人しんいち(35)が本紙の取材に応じ「優勝したら、事務所の後輩である高橋英樹、真麻親子をバーターで営業に呼ぶ!」と宣言した。新型コロナウイルスの影響で芸人の仕事も激減しているが、「コロナ禍こそピン芸人。テレビ局も僕を呼んでほしい」と訴えた。


 今年で8回目となる「歌ネタ王決定戦」は例年、関西ローカルで放送されていたが、今年は動画配信サービス「Paravi」でライブ配信されることが決まった。

 ――去年に続いて決勝進出

 しんいち 去年は緊張して、フワッとしたまま終わって5位。今年は落ち着いてるし、優勝しか見てないです。

 ――今年はナイツの塙宣之が審査員に入った

 しんいち 昔から知ってる方。最初はラジオで「お見送り芸人しんいちってヤツがいるけど、なんなんだ」って言ってくれて、あいさつに行ったんです。それで覚えてもらい、仲良くさせていただいてます。

 ――知り合いが審査員なのは有利

 しんいち いや、逆に厳しく採点される気がします。でもそこを超えたい。塙さんに「お、超えてきたな」と思わせる。その自信もあります。あと気になる審査員はヒロミさん。というのも去年、あんまり高い点数を入れてくれなかったので、今年は響いてほしい。「去年より良くなったな!」と言ってもらいたい。

 ――事務所のトップであるサンドウィッチマンからは何か言われた?

 しんいち 富澤たけしさんから「売れる人は一握り。少ないチャンスを逃すな」、伊達みきおさんからは「いつも通りやって必ず優勝してこいやっ!」。普段はこんな強い文章、送る人じゃないんですけど、期待してくれています。

 ――もし優勝したら、事務所ではM―1グランプリで優勝(2007年)したサンド以来の快挙

 しんいち そうですね。テレビ局主催の大々的な大会では、キングオブコントのわらふぢなるおさんとか準優勝はあるけど、優勝はない。優勝したいです!

 ――優勝賞金300万円の使い道は

 しんいち リアルに言うと、父親の作った借金を返します。でも300万じゃ足りないんじゃないですかね(笑い)。10年ほど前、連帯保証人のハンコ押してできた借金。ずっと返し続けてるけど、まだ終わらない。全部返済するには300万から追加のおカネがいるので、優勝のご褒美でサンドさんにお願いしようかな? サンドさんなら「まったく、しんいちはしょうがねえなあ~」と言いながら、払ってくれそうだし(笑い)。

 ――コロナの影響で芸人の仕事が減ったと言われるが

 しんいち 僕の場合、仕事は7~8割減。収入もそれくらい。以前は東京ホテイソンとかティモンディの営業にバーターで呼ばれてたんですけど、それがなくなった。今回優勝したら、営業に僕のバーターで他の芸人を呼びたい。「しんいちを呼びたいけど、もう1組呼べますよ」と。それでホテイソンとか、あぁ~しらきさんとかを呼ぶ。あと去年、高橋英樹さんと真麻さんがウチに入ったんで、高橋親子を僕のバーターで呼びます!

 ――テレビも出たい

 しんいち もちろんです。とにかく優勝して売れたい。テレビ局も、アクリル板置いて漫才するくらいなら、ピン芸人を呼んでほしいです。僕なんて、スタッフさんに何のお手数もかけずにテレビで使える芸人です!

 ――出たい番組は

 しんいち 歌番組ですね。僕のは、ネタじゃなくて曲と思ってるので。「ミュージックステーション」とか。紅白にも出たいです!

 ☆おみおくりげいにんしんいち 1985年4月21日生まれ。大阪府出身。グレープカンパニー所属のピン芸人。歌ネタが得意で、「歌ネタ王決定戦」には昨年、今年と2年連続で決勝進出したほか、2015年にも田中光と組んだユニット「田中上野」で決勝進出。特技はサッカーで、大阪・北陽高校時代にインターハイ出場。芸名は、礼儀正しくお見送りする姿から、サンドウィッチマンの伊達が命名した。