伊勢谷友介容疑者が大麻取締法違反の疑いで逮捕された事件は、政界にも大きな衝撃を与えている。

 野党議員によると、伊勢谷容疑者は、2016年に行われた参議院選挙で〝都市型新党〟の結党を目指した野党議員たちの目玉候補として浮上したという。本人も出馬には前向きだったというが…。

「本人が政界進出に強い関心があると知って、旧みんなの党メンバーだった議員が本人に打診したのをハッキリと覚えています。結局、都市型新党プランは、政党要件を満たすために必要な政治家が集まらず、実現しなかったわけですが…」(野党議員)

 伊勢谷容疑者も当時、参院選の著名人候補として注目されたことに、自身のツイッターで「変えるなら政治家になる手立てがある」と前向きなコメントを残していた。

 同年の参院選で野党は、安倍1強の状態に押されっぱなしで、なす術もなかった。加えて自民党公認の今井絵理子参院議員(36)が比例区で当選し、話題を奪われる始末。伊勢谷容疑者の政界進出は単なる客寄せパンダだったのか。

「芸能活動だけでなく、いくつか事業を立ち上げていた伊勢谷容疑者は起業家でもあった。ベンチャー企業の社長が集まる定期的な会合にも顔を出していた。『民間目線で今の政治を変えたい!』と政治改革に意欲があったし、悪い印象は残っていない。ただあの痩せ方にだけは、違和感を覚えました」(前出の野党議員)

 この15日に合流新党の結成を目指す立憲民主党と国民民主党は、総選挙が早期に行われた場合、大苦戦が予想されている。だが、伊勢谷容疑者の逮捕を受けて、党内では衆院比例代表などで著名人候補の擁立に消極論が出るようになった。

「自民党のような大政党と違い、候補者の活動費が少ないし、どうなるかも分からない。新党執行部に意中の著名人候補がいれば打診に動くが、身体検査する時間も少ないと思う。合流新党が結成されても、スキャンダルのたびに支持率が下落したらアウトです」と立民議員は話している。