東京・神田神保町や秋葉原、新橋などで洋食レストランを展開する「キッチンジロー」が閉店ラッシュに追い込まれ、ジローファンが騒然としている。

 キッチンジローは神保町で1964年に創業。メインのおかず(手ごねハンバーグ、とんかつ、スタミナ焼き等)を1~3種類選べるスタイルで、お手頃な価格とボリュームで、サラリーマンや学生の胃袋をつかんでいた。

 特に秋葉原にある外神田店は、アニメの舞台にもなり、ラーメン二郎ファンの“ジロリアン”ならぬキッチンジローファンの聖地として知られていた。

 ファンの悲鳴が上がったのは、3日に発表された直営店全15店舗中、13店舗の今月末での閉店だ。理由はコロナ禍による売り上げ減。キッチンジローは近年、昼はレストラン、夜はバル形式の「ほろよいジロー」の二毛作業態も展開していたが、コロナ禍で酒類提供時間や営業時間の短縮を余儀なくされていた。

 メインターゲットだった学生はリモート授業、サラリーマンもテレワークで街から消えてしまい、都心を中心に展開していただけにコロナ禍のダメージは深刻だった。

 ただ、希望の光となるのは九段下店(東京・千代田区)と中之島フェスティバルプラザ店(大阪・北区)の2店舗が残ったことだ。2年前にキッチンジローは、ファミレスチェーンを展開するジョイフル(大分市)に買収されているため、コロナ禍を乗り切れれば、また復活するチャンスがある。

 それでも今月中は「さらばジロー」と各店舗には、味を惜しむファンが押し寄せることになりそうだ。