このコンサート成功が演歌界の希望の光となるか――。演歌歌手・五木ひろし(72=写真)が1日、東京・浅草公会堂でコンサート「ITSUKIモデル 弾き語りライブ」を行った。

 新型コロナウイルスの感染拡大が収まらない中、五木がファンの前で歌うのは先月20日の「五木ひろし50周年記念シンフォニックコンサート」に続き、感染拡大後は2度目。「ファンのみなさんの声援を受けて歌えるのは感動。うれしい気持ちでいっぱいです」と笑みを浮かべた。

 感染対策のため、来場者は500人と収容人数の約半分。「みなさんもその分、一生懸命に拍手をしてくれていたし、いつもより大きい拍手をいただいてうれしかった」

 7月から番組収録などは再開しているが「やっぱり歌手はライブが命」と力説する五木。「一日も早く通常の状態に戻れることを願っています」と語った。

「ITSUKIモデル」と題された今回のコンサート。五木自身も自腹でPCR検査を受け、座席もソーシャルディスタンスを確保して開催した。

「こういう感じならやっていけるんじゃないかというモデルケースを作ってみた」

 浅草公会堂のほか茨城、埼玉、神奈川などでコンサートを行う予定だ。

 五木の取り組みは、ほかの演歌・歌謡曲の歌手にとって大きな“希望の光”となることは間違いない。

 音楽関係者は「コロナ禍で、ある程度の集客をしてコンサートをできているのは、6月の加藤登紀子さんと、今回の五木さんくらいなもの。やっぱり見に来るファンの年齢層が高いということで、なかなかコンサートの開催に踏み切れない歌手は多いのです。そういう中で五木さんがうまくいってくれれば、それこそ新しいコンサートスタイルとして浸透していくのでは」。

 五木が先陣を切ってくれたことで、追随する歌手も増えるだろう。