中森明菜、堀ちえみ…大物アイドルを生んだ「としまえん」伝説 怪奇現象も

2020年09月01日 11時30分

多くの人が別れを告げた

 94年の歴史に幕――。東京・練馬区にある遊園地「としまえん」が31日、多くの人に惜しまれつつ閉園した。1926年の開園以来、世界最古級の回転木馬や、世界初の流れるプールなどで都民を楽しませてきた。同時に、数多くの伝説も残している。後世まで語り継がれるべき“としまえん伝説”を振り返った。

 92年のピーク時は年間400万人もの来場者を集め、夏にはプール利用客だけで1日5万人を超えた年もあったとしまえん。営業最終日の31日には新型コロナ禍で事前予約者と年間パスポート所有者だけに入場が制限されたが、閉園を惜しむ人たちが数多く入園ゲート前に詰め掛けた。

 夜には最後の花火が打ち上げられ、午後9時の閉園時間を迎えると、SNSは多くのファンの惜別コメントであふれかえった。そんなとしまえんは多くの人から愛されたと同時に、数々の伝説も残した。

【独創的すぎる広告】としまえんといえば、多くの人の脳裏に焼き付いているのが、ぶっ飛んだ広告の数々だろう。

 1990年のエイプリルフールの新聞広告に掲載されたキャッチコピー「史上最低の遊園地。TOSHIMAEN」はあまりにも有名。92年には前年に発売され社会現象にもなった宮沢りえの写真集「Santa Fe」にあやかって、「豊島園に、サンタフェの扉が、やって来た!!!」との新聞広告を出すと、実際に写真集の表紙になった特徴的な扉を空輸して展示するというバカバカしくもユーモアにあふれた企画をやってのけた。
 また、毎年夏になると発表されるプールの広告も印象的だった。その中で伝説中の伝説と言えるのが、98年にサッチーこと故野村沙知代さんが世界最古級の回転木馬「カルーセルエルドラド」に水着姿でまたがった広告だ。「水着で乗れるとしまえん」をテーマにしてサッチーを起用。一度見たら忘れたくても忘れることができない超ド級のインパクトを残した。
 余談だが、これに自信を得たサッチーは2000年、水着も脱ぎ捨ててセミヌード写真集「Stay Young Forever―野村沙知代」を出版するに至る…。

【大物アイドルデビューの聖地】80年代アイドルたちのデビューの聖地としても伝説を残した。“歌姫”中森明菜がデビューイベントを開催したのがとしまえん。82年5月に大粒の雨の中、野外ステージでデビュー曲「スローモーション」を披露し、第2弾シングル「少女A」で大ブレークを果たすことになる。
 ほかにも堀ちえみもとしまえん組。「当時はとしまえんでデビューしたアイドルは必ずブレークすると言われていた」(芸能関係者)
 近年も縁起にあやかって、多くのデビューイベントが開催された。

【恐怖の都市伝説】戦時中に2年ほどの休園期間があったとはいえ、94年間も営業していれば様々な噂は立つもの。

 例えば140枚以上の鏡を使って錯覚を起こさせる迷路「ミラーハウス」には、「少女に追いかけられる」「秘密の鏡の部屋がある」「13枚目の鏡をのぞくと自分が鏡から飛び出して襲ってくる」といった都市伝説が。

 また、「お化け屋敷」では本物の火の玉を見たという数々の目撃例が30年以上も前から報告されている。こうした都市伝説が数々あり、ついには昨年、元AKB48の北原里英主演でホラー映画「映画 としまえん」が公開された。

 閉園後の跡地は公園や映画「ハリー・ポッター」のテーマパークに生まれ変わる予定で、怪奇現象はリセットされるのか。

 数々の伝説を残して閉園したとしまえん。最後の1か月間をカウントダウンしたTOKYO FMの音声配信番組「30日後に閉まるとしまえん」で、メインパーソナリティーを務めた“としまえん大好きタレント”のつるの剛士は、新型コロナに感染して最後の瞬間に立ち会えなかった。この不運も、ある意味、としまえんらしい最後になったと言えるのかもしれない。