ビートルズ〝原点〟のライブハウス コロナ禍で廃業の危機

2020年08月17日 19時58分

 新型コロナウイルスの影響は、ビートルズゆかりのあの場所にも――。

 1960年代初頭、結成間もないビートルズが300回以上出演し、活動の原点となった英リバプールにあるライブハウス「キャヴァーン・クラブ」が、存続の危機にあることが分かった。

 米音楽誌「ローリング・ストーン」は今週、同クラブの運営理事ビル・ヘックル氏が地元紙に語った話として「パンデミックが始まって以来、毎週3万ポンド(約420万円)の赤字で、最近になって従業員20人を解雇した。さらなる解雇が必要だ」と伝えた。

 ヘックル氏によると、クラブは不況に備え、売り上げの一部を貯蓄してきたが、ここ数か月で半分が消えた。

 キャヴァーン・クラブは57年にジャズクラブとして開業したが、ビートルズの前身クオリーメンとしてジョン・レノンやポール・マッカートニーらが出演すると、すぐにロックンロールが主流に。61年からは多くのバンドとともにビートルズが同クラブで演奏を続け、いわゆる〝リバプールサウンド〟をけん引した。

 73年に一時閉店したが、84年に開業当時の設計図を使って再建・再開された。これまでローリング・ストーンズやヤードバーズ、クイーン、エルトン・ジョンら数多くの超大物アーティストらが出演している。

 リバプールのジョン・アンダーソン市長によると、同クラブは現在、国の文化復興基金に保護申請をしており、もし認められない場合は、廃業もあり得るという。

 市長は「新型コロナにより世界的に有名なクラブがなくなるかもしれないということは、我々が大切にしている音楽産業がいかに切迫した状況かを政府に突きつけている」と指摘した。

 ヘックル氏は「8月終わりにかけて1週間、オンライン営業を計画している。すでに世界中からいろんなバンドがメッセージやミュージックビデオを送ってくれている」。その上で「収入にはならないが、このクラブがまだ存在していることを知ってもらい、なんとか存続できるようにすることが目的だ」と苦しい胸中を打ち明けた。