【田辺晋太郎の肉アカデミー】Nice to MEAT you! 今回は私がプロデュースした元芸能人のお店についてお話ししましょう。

 皆さん、覚えてますでしょうか。「純烈」というグループにいた友井雄亮を。目標だった紅白出場を果たしたわずか10日後に「文春砲」を食らい、芸能界から引退した彼です。その後、大阪・北新地に焼き肉店「神威」をオープンしました。このお店こそ、私がプロデュースする店です。

 彼とは私が19歳からの付き合いです。本名の牧山雄亮から「マッキー」と呼んでいました。私は当時、巨乳アイドルで有名だった「イエローキャブ」に最初で最後の男性タレントとして所属するも、事務所の女性タレントとお付き合いしてたのがバレてクビに。マッキーとはその後も“三流若手芸能人”の集まりで仲良くしていて、2001年に彼は「仮面ライダーアギト」に出演。同じ年に私は自分のバンドでメジャーデビュー。マッキーは「夢がかなったな!」と三流若手芸能人グループで唯一メッセージをくれました。だから純烈の紅白出場が決まった時、私も「夢がかなったな!」と18年越しのお返しメッセを送ったのです。

 引退後、大阪で会った時、「何か手伝えることがあったら言ってくれ。焼き肉のプロデュースならできるから」と伝えたところ、しばらくして「焼き肉店をやる。力を貸してくれ」と言ってくれたので、全力でサポートしてきました。

 まずは東京にいる私の代わりに、西宮の「肉 阿久」の阿久津大樹さんに総料理長をお願いし、私のアイデアを具体化してもらってます。さらに加古川の食肉加工卸業、志方ミートセンターにお願いして、マッキーに肉の勉強、修業をさせてもらいました。

 北新地には焼き肉店はたくさんあるので、差別化するメニューも考えました。例えばタンは切り方から変え長めにし、焼いてクルクルと巻き、薫製塩とライムで。赤身肉はブリスケの脂を全部取って薄く切り、焼いてごまポン酢、わさびじょうゆで。メインのヒレ焼きしゃぶは、レアな状態で仕上げてガーリックバターじょうゆに。どれも大阪にはない食べ方です。東京には似たモノがあるけど、ちょっとスタイルが違う。北新地にないメニューを作っていたら、日本でここでしか食べられない店になってました(笑い)。

 北新地ということで、きれいなお姉様が食べやすい量少なめのコースもあります。大阪に行かれたら、ぜひ、私とマッキーと阿久津さんの渾身の肉料理を楽しんでください!


☆たなべ・しんたろう 1978年生まれ。東京都出身。2001年に「Changin’ My Life」でデビュー。03年に解散後は作曲家としてAKB48在籍時の渡辺麻友などに楽曲を提供。監修した「焼肉の教科書」シリーズは累計35万部を突破。最新著作「焼肉のすべて」が発売中。両親は歌手の田辺靖雄と九重佑三子。