俳優・三浦春馬さん(享年30)が出演するNHKドラマ「太陽の子」が終戦記念日の15日に放送された。

 三浦さんは柳楽優弥(30)演じる核エネルギー研究者・石村修の弟、裕之役を演じた。裕之は学徒出陣で戦地に赴いたものの肺の療養のため一時帰還。物語のハイライトは〝入水自殺シーン〟だ。

 戦地で散る仲間に思いをめぐらせ「なぜ自分だけがここに…」と自問自答する裕之。ある日、何かに導かれるように海に向かって歩き出し、そのまま入水自殺を試みた。結局、それは未遂に終わるが、裕之は「おれだけ死なんわけにはいかん…」と繰り返し、その場に崩れ落ちた。

 先月18日に急死した三浦さんとシンクロする部分も多く、放送前から話題となっていたが、実はこのシーン、渾身の〝一発撮り〟だったという。ドラマ関係者の話。

「出演者、スタッフが満場一致で『朝日が出るタイミングでしかいい絵が撮れない』となって決まりました。三浦さんはその際、兄・修が弟を正気に戻すため平手打ちするシーンを追加するよう提案。それも含めて当日の朝は一発撮りでした」

 8日放送の「土曜スタジオパーク」(NHK)は三浦さんの生前インタビューを放送。平手打ちのシーンについて「いざモーションに入ると、どうしても柳楽さんの優しさが出てしまって、やさしく子犬を撫でるような、そういう芝居になってしまっていたのが印象的でした。本番でももやさしさは感じましたね。修のキャラクター性も乗っていると思うので、どちらの思いも感じました」と振り返っていた。

 柳楽も「条件のある撮影の中で確実にいいシーンが撮れたという達成感はありました」と胸を張った。

 迫真の演技にツイッター上では「海のシーン、最初見るの怖かったけど、しっかり見た。緊張感が伝わった」「春馬くんの怯えた表情がすごく良かった」など、称賛の声が相次いでいる。