数えてみた!渡哲也さん「大都会」「西部警察」全367話で定番サングラスを着用した回数

2020年08月16日 06時15分

レイバンのサングラスは渡さんの〝トレードマーク〟だった

 石原軍団のリーダーとしても存在感があった俳優・渡哲也さん。ドラマ「大都会」(132話)と「西部警察」(235話=最終回特番を含む)の全367話中、代名詞ともいえるレイバンのあのサングラス姿で何話出演していたのか…数えてみると、なんとその数336回。濃厚な演技と過酷なロケの積み重ねが、今も残る「渡哲也=サングラス」の印象を決定づけていた――。

 石原プロモーションのテレビドラマ初参入。ハードボイルドな男の美意識にあふれた「大都会」(日本テレビ系、1976~79年)と、制作費を度外視した「西部警察」(テレビ朝日系、79~84年)は二度とテレビでは実現できないだろう。まさに昭和の刑事ドラマ。その面白さと迫力の一部はDVDや再放送で見ることができる。

「大都会」が開始された時の売りは石原裕次郎さんと渡哲也さんのダブル主演。当時、同じ日本テレビ系で「太陽にほえろ!」が大人気だったため…裕次郎さんは「新聞記者役」、渡さんは「刑事役」だった。2人は高校の先輩と後輩の設定。企画原案・メイン脚本は「倉本聰」。サブタイトルは「闘いの日々」。刑事が犯人を追い詰めるスタイルではなく、警察組織の在り方や大都会に潜む暴力団の手口もリアルに描いた秀作だ。

 実は、NHK大河ドラマ「勝海舟」(74年)の主役だった渡哲也さんが、病気のため9話で途中降板(代演は松方弘樹さん)した復帰第1作として制作されたもの。石原プロにとっても会社の命運をかけた「絶対に負けられない戦い」であった。そう考えると合点がいく。何の前フリもなく、お茶の間に「レイバンのサングラス姿の主人公」を登場させるハズがない。

 主役の渡哲也さん(マル暴担当の刑事・黒岩頼介)は照れ屋で銭湯通いが好きな悩み多き地方出身者の設定。妹の忌まわしい過去の事件に苦悩しながらも、兄貴分の裕次郎さんからのサポートもあり物語は進む。76年(昭和51年)といえば、少し前に大都会・東京に集団就職した若者が成長し、汗を流し、頑張っていた時代。その誰もが渡哲也さんに自分を投影、ドラマは大当たりした。中盤から、黒岩は(その後、渡のトレードマークになる)男らしさを強調した五分刈り頭にチェンジ。だが、レイバンのサングラス姿は一度もない。

 そして、舞台は「大都会 PARTⅡ」(77年~)へ。売りは「石原裕次郎、渡哲也、松田優作の3大共演」と「CGなしの手に汗握るアクションシーン」…そしてもうひとつが黒岩のイメチェンだった。

 黒岩は巡査部長に昇格。松田優作さんを筆頭とする個性豊かな部下らとともに「黒岩軍団」を結成した。銭湯通いの刑事は、濃紺のスリーピース、ブルーのシャツ、濃紺のネクタイに。ドラマが佳境に入ったアクションシーンになれば、それまで口数少なく犯罪に立ち向かっていた黒岩部長が出動。レイバンのあのサングラス姿で、カースタントや銃撃戦に加わる…そんな“チーム感”が、後に石原プロの俳優たちによって結成される「石原軍団」の布石になるとは驚きである。

 ちなみに新聞記者役であった裕次郎さんは「PARTⅡ」から、(いっさいの説明なく)外科医に転身。一方、黒岩から「大門軍団」の長となった渡哲也さん、「西部警察」においては第1話から最終回まであのレイバン姿であった。(柳田光司)

 

 ◆やなぎだ・こうじ「演芸墓掘人」の異名を取る放送作家。水道橋博士のメルマ旬報で連載中。「あんぎゃでござる!!」(KBS京都、TOKYO MX2他)、FM大阪「R45 ALL THAT“らじヲ”」に出演中。