伝説の雑誌が「1文字」名を変え復活! 「ワンダーJAPON」元祖〝映え〟としての意地

2020年08月12日 11時30分

関口勇編集長

 この出版不況下で、8年ぶりに復活した雑誌がある。しかも売り上げ好調で、第2号の発売も決まったというのだ。その雑誌とは「ワンダーJAPON」(発売中)。かつて軍艦島や工場鑑賞、ダム鑑賞などのブームを仕掛けた伝説の雑誌「ワンダーJAPAN」の関口勇編集長が以前の会社を離れ、雑誌名を一文字変えて復刊した。その経緯とは?

「ワンダーJAPAN」は2005年に創刊され、それまでネガティブなイメージで捉えられがちだった工場やダム、廃虚、戦争遺跡、珍スポットなどの魅力を紹介した。今や人気の工場夜景クルーズやダムカードが登場する何年も前のことで、「産業観光」の流れを作った一つといえる。軍艦島(長崎県端島)についても、世界遺産に登録される前から特集を組み、観光地化への下地を作った。

 関口氏が「ワンダー――」を創刊したのは「本屋の旅行コーナーは、同じようなガイド本ばかり。日本にある面白いものを取り上げた旅ガイド本のニーズもあるはず」と考えたから。狙いは当たり、軍艦島号は約3万部を発行するなど好調だったものの、12年、20号を最後に休刊した。

 復刊する気配がないことから、関口氏は昨年末に以前の会社を退社し、「ワンダー――」を出版してくれる会社を探した。「インスタでは“映え”がずっと求められているし、工場もダムも廃虚もずっと人気があり『マンホールカード』というインフラの新しい楽しみ方も出てきた。ニーズはあるとずっと思ってました」。「インスタ映え」という言葉がない時から「ワンダー――」は映える構造物などを取り上げていただけに商機はあると考えた。

 一度は引き受けてくれそうな出版社が見つかったものの、経費の問題で話は消滅。その後、関口氏自身がほとんどの文章と写真、さらにレイアウトまで手掛け、1人3役をこなすことで経費を圧縮し、スタンダーズ社から出版できることになった。「『ワンダーJAPAN』はライフワーク」という関口氏の執念が実った形だ。

 6月に発売された「ワンダーJAPON」では東京の“異空間”を取り上げた。関口氏のオススメは「野方文化マーケット」と、奥多摩駅と小河内ダム建設現場の水根駅を結んでいた「水根貨物線」。

 新型コロナ感染拡大の影響で旅行に行きづらい雰囲気が続いているが、それも考え方一つ。

「旅に出にくい間は見て楽しんでほしい。グーグルのストリートビューで探して見るのも面白いと思います。大丈夫になったらこの本を手に旅や映え写真撮影を楽しんでください。コスプレイヤーの方の撮影場所の参考にもなると思います」と関口氏は提案している。