東京都の小池百合子知事(68)は3日、「重症者を防ぐため、高齢者と同居する方には、歯磨き粉を変えるなど工夫をしていただきたい」と呼び掛けた。

 同日の新型コロナウイルスの感染者は、新たに258人(うち137人が経路不明)。20~30代が約7割を占める。これで、1日当たり200人超の状態が1週間以上続いている。ただ、治療の進歩、ウイルスが弱毒化している可能性があることなどの理由により、重症者は15人と変わっていない。都内の累計感染者数は1万3713人。

 4日放送の朝の情報番組「モーニングショー」(テレビ朝日系)では、この「歯磨き粉」の問題を取り上げた。発端となったのは先週、愛知県で家庭内感染が広がった女性が「盲点だったのは、歯磨き粉。みんなで共有していたので」と発言したこと。新規感染者の感染経路は、家庭内感染が〝夜の街〟を上回ってきており、にわかに注目が集まった。

 白鴎大学教育学部の岡田晴恵教授(感染症学)は「界面活性剤でウイルスが不活化するはず。歯磨き粉で感染するというのは、ウイルス学的には認められておりません。手をお口の近くに持っていくということがよくないのでは」と指摘した。ただ、界面活性剤不使用の歯磨き粉もあるので、注意が必要かもしれない。

 これから「Go Toトラベルキャンペーン」やお盆の帰省などで、ウイルスがさらに地域的にも年代的にも広がれば、秋冬に感染大爆発が起きる可能性も心配される。

 岡田教授は「ウイルスを運ぶのは人。ちょっとだけ我慢してもらいたい。検査態勢を拡充し、検査をちゃんとやった上でならGo Toもいいですけど」とコメントしたが、国会は閉会中で政府の対策は後手後手に回っている印象だ。