先月から謎の種が入った中国からの小包が日本全国に届き、不気味がられている。日本だけでなく欧米、東南アジア諸国など配送先は全世界に及んでいる。米中間の緊張が高まる中、いったい何の狙いがあるのか――。

 中国から届くのは国際郵便の袋。中には透明の小袋に植物の種のようなものが数十個入っているケースが多い。同様の送り付けが起きている米国で、この種を調べたところ、アサガオやキャベツなどの種が確認されたという。

 送り付け商法と違い、受け取ったところで、着払いでもなく、振込票が添付されていることもないため、現時点で金銭を要求されることはない。一方的に送り付けている何者かが郵送料を自腹で払っていることになる。

 ユーチューブチャンネル「ゆあチャン」で情報発信している中国人ジャーナリストの周来友氏は、ECサイト(商品販売サイト)での購買実績の水増し狙いではないかと推測する。

「日本では以前、アマゾンの偽レビュー事件が話題になった。ネットショップ側が信頼を得て、購入者を増やすため、偽レビュー業者に依頼し、高評価のレビューを書かせるという手口でしたが、今回の種も同様で、ネットショップ側から依頼を受け、購入実績を水増しする専門業者が行ったと考えられます」と指摘する。

 種が選ばれたのは小さく、軽いことから郵送料が安く済むためで、宛先の名前や住所は過去の通販ショップ利用時のリストが闇業者に流れたものを使用しているとみている。

 一方、オカルト評論家の山口敏太郎氏は中国による“陰謀”の可能性に言及した。

「環境的侵略という言葉が存在します。侵略は必ずしも武力による侵略を意味するものではありません。文化的侵略、環境的侵略など様々な侵略行為があります。これは環境的侵略だと断言してもいいでしょう」

 防疫所では送られた種は植えないように呼び掛けているが、タレントの小川菜摘(57)はブログで、送られてきた種が自分が注文したものと勘違いし、植えてしまったと明かしていた。このようについ植えてしまうケースは、相当数に上るとみられる。

「例えば種をまくとその種があっという間に繁殖してしまい、日本在来植物を駆逐する可能性があります。日本の古き良き風景というものが、すべて中国的なものに変わってしまった場合、それは明らかな環境破壊です。シード・ボム(種爆弾)で日本中の植物は犯され、風景は一変する」(山口氏)

 折しも中国・武漢発の新型コロナウイルスが世界を席巻し、地球規模の甚大な被害をもたらしたばかりだ。さらに中国産の植物が育ってから、とんだ事態にもなりかねないという。
「遺伝子組み換え植物の著作権を主張する企業が多数存在します。もしまいた植物に著作権があった場合、莫大なお金を請求される場合があるんです。これは大掛かりなトリックですよ。十分に警戒しないといけません」と山口氏は注意を呼び掛けた。