隻眼のヒップホップMC・ダースレイダーが大マジで語る「いまが一番チャンス。失敗が許される時代になった」

2020年07月24日 15時00分

コロナ禍の音楽業界を語るダースレイダー

【短期集中連載(4)】東大中退という異色の経歴を持つ、隻眼のヒップホップMC・ダースレイダー(43)がなぜかカレーをプロデュース!? 本紙掲載特別版(DOPE Ver.)の短期連載最終回。アフターコロナと音楽業界の関わり方は?      

――コロナ禍でだいぶエンターテイメント業界も疲弊している

 ダースレイダー エンタメの在り方って変わってしまいましたよね。オンラインでライブを楽しむってことと、マネタイズの関係がだいぶ難しくなっている。で、もう少し、生活と音楽を結び付けるものにしないといけないのかなと。この4月、5月って、〝オンラインハイ〟みたいな状況になって、みんな喜んでたんですけど。そこに、もう少しスパイスというかね。ちょっとピリッとさせたいなと。カレーだけにね。

――カレーと音源のミックスもその突破口の1つ

 ダースレイダー これが正解である必要はまったくないんです。むしろ、違うんじゃないかとか意見が出てきてほしい。コロナ禍で1番ありがたいな思っているのは、「失敗が許される時代」になっているということ。正解が分からない時代だから、とりあえず何かやってみて、うまくいかなかったら、それがまた「参考」になる。「あそこいくと、コケるぞ」とか「あの道行くとダメっぽい」とお互いが様子を見ながら学べる時期になっている。ちょっと前までは、ほぼ「正解」が決まっていた。そのレースにみんなが群がって、それで数少ない狭き門を競争して潜り抜けていくっていう。いまはドーンと道が広がって、何が正解かわからないし、こけたとしても、そのこけたことが周りの助けになる状況が生まれている。だから、何か面白いことを思いついたら、とにかくチャレンジする。それがこのコロナ禍のポジティブな面になると思います。

――挑戦できない人もいる

 ダースレイダー 様子見のスタンスもそれはそれでいいと思うんです、1つの生き方ですし。だけど「決まっていないなら何やってもいいじゃーん」って。まあ、場合によっては叩かれることも称賛されることもあるとは思います。ただ、いまが一番チャンスです。

――ライブの在り方は?

 ダースレイダー いま、壇上でメンバーがマスクしたり、距離を保ったりしてやっているものは「ライブ」とは呼ばないほうがいいと思ってるんですね。別物なんでね。そうですね「厚生労働省推奨演奏プロジェクト」とでも付けたほうがいいんですかね。これはあくまで、世のため人のためにあえて取っている形態だと。「ライブができるようになったんだから、あとは勝手にやってください」となりかねないですからね。僕らが本来やりたいこととは違いますよと。テレワークで置き換え可能であることとは違って、音楽は「その場を共有する」ということで意味が違う。いま「その場を共有する」「同じ空間にいる」ことが1番ネックだなと思っていて。その大切さは置き換えできないという気持ちを持っていて、いまできることをやっていかないといけない。簡単にしちゃいけない、自分たちが何を失ったのかということを正確に把握しておかないと、乗り換えた時に何を失ったのかわからなくなっちゃう。

――問題は山積み

 ダースレイダー 今後、どれだけ(自粛)続くか分からない。同じ場所にいて、同じグルーヴを同時に感じる、体験するという力が持っているものはやっぱり、継承しておかないといけない。元に戻るとか、日常を取り戻すという言葉がありますけど、1月13日に日本で初めて感染者が確認された日、これより前に戻るということはないと思っている。とにかく前に進むしかない。その時にどの方向に、何を持って進むのかということをはっきりしていたほうがいいと思う。それをみんなで考えましょうと。何と何が混ざれるか、いろんな事ができる時代です。

――最後にカレーへの思いを

 ダースレイダー カレーも、こういう状況になることを想定してはいませんでしたが、1つのチャレンジの例として、面白いなと思ってほしいし、食べておいしいな思ってほしいですね。(完)