隻眼のヒップホップMC・ダースレイダーが大マジで語る 「レコード屋にカレーを置けないか」の意味

2020年07月23日 15時00分

レコード屋にカレー!? 驚きのビジネスを語るダースレイダー

 【短期集中連載(3)】東大中退という異色の経歴を持つ、隻眼のヒップホップMC・ダースレイダー(43)がなぜかカレーをプロデュース!? 本紙掲載特別版(DOPE Ver.)の短期連載第3回。カレーという「モノ」に音楽をまとわせる狙いは?

――楽曲制作の経緯は

 ダースレイダー せっかくラッパーがカレーを作るんだから、何か曲を作りたいなと。テーマ曲みたいなの作らないかという話があって。ダメヤさんと15年ぶりの再会になるわけですし、そういったドラマを曲にできないかと。映画のサントラ曲があるなら、カレーのサントラ曲があってもいいんじゃないかと。「カレーヒップホップ」があってもいいんじゃないかと。ストレートなメッセージになってて、ビートはDJ WATARAIさんにお願いしました。で、作って、それをカレーを買ったら、ダウンロードで聞けるものにしましょうと。

――面白い試み

 ダースレイダー いま、CDとかレコードというのが全然売れない時代になってきて、音楽がサブスクリプション(月額定額サービス)で聞くものという風になってきて「モノ」として、売れないようになっているな、と。ただ、食べ物はモノとして買うしかない。音楽はモノとして売れなくなくなったけど、逆に「モノの周りに音楽をまとわせる」というようにすれば、もう一度、音楽とモノを結び付けられるんじゃないかなと。今後はですね、例えばコーヒーです。スタバでコーヒーを頼んだら、それに合った音楽をダウンロードできるようにすると。食べ物のイメージを音楽とセットにすることでより楽しめる、みたいな未来があるかもなと。モノの周りを音楽が漂っている、そんなイメージでできないかと。

 カレーの「香り」的な位置づけで音楽を提供できないかと思ったんです。

――ある意味で革命ですね

 ダースレイダー 今回、カレーをレコード屋におけないかと思っているんですよ。見た目で「なんだこれは?」となるでしょ? でも、「このカレーの周りには音楽が漂っている」となれば、レコード屋でも売れるじゃないですか。もし、これが上手くいったら、大手さんにもマネてもらってね。「ハウスバーモントカレー」に添付する曲をサザンの桑田佳祐とかに頼んでね。そういう挑戦の〝一歩目〟になるのではないかと。ぜひいろんなジャンルにパクッてほしい。ラーメンとかね。例えば「このコーヒーを飲めば(コーヒーをイメージして作った)クラプトンの曲が聞ける」とかね。

 そもそも、ダメレコも新作CDアルバムを1000円で売る「1000円シリーズ」ってやってたんです。当時、3000円ぐらいで、なんとなく決まってたものをね。1000円にして3倍売ればいいと。当時「音楽をもっと日常に」ということでやっていて、日常に3000円は高すぎるので。ちなみにタワレコさんで、その後「1000円生活」をちゃんと企画をパクってくれたので、僕は「成功したぞ」と思いました。

――音楽の価値を上げたい?

 ダースレイダー いまや「タダで聞けるもの」という風になってる音楽をもうちょっとだけ、スペシャルなものにしたいなと思っています。もちろん、気軽に聞けるというのもいい点がいっぱいあるんですが、僕らの時代って、レコード屋で新譜のレコード買って家に帰るまでに、ジャケット開けて、中身見て、歌詞カードを読んだり、制作にかかわったスタッフの名前を見て「ドラムス、あの人じゃん!」みたいなね。そんな想像して、家に帰って、プレーヤーで聞くまでが「曲」だった。それはそれで豊かだったから、もう一度モノと結びつくことで豊かな経験ができるきっかけになるのではないかと。

 レコード屋で買う際にはもう1つ音源が付いてきます。だから「曲として買っておまけでカレー食べてもいい」し「カレーに曲が付いてきた」と、どっちでもいいですよ、と。