隻眼のヒップホップMC・ダースレイダーが大マジで語る「カレーはケンカを止める力がある」

2020年07月22日 15時02分

熱弁をふるうダースレイダー

 【短期集中連載(2)】東大中退という異色の経歴を持つ、隻眼のヒップホップMC・ダースレイダー(43)がなぜかカレーをプロデュース!? 掲載特別版(DOPE Ver.)の短期連載第2回。抗争(ビーフ)ぼっ発寸前のMCたちでもカレーを食わせておけば大丈夫?    

――ビーフカレーをプロデュースした理由は

 ダースレイダー ヒップホップで「ビーフ」は「争いごと」という意味があるスラング。で、ピリッと辛いスパイシーな「ビーフ」カレーを食べちゃえ! と。ビーフを食べて解決しようと(笑い)。

――カレーには思い出がある

 ダースレイダー 20歳ぐらいの時かな。そのぐらいの時期って、ラッパーって、割とヤンチャな時期で。三軒茶屋のユニット「妄走族」っていうヤンチャな人たちと、というか、リアルなヤンチャな人たちですね。あと、池袋を中心にやっていたユニット「THINK TANK」というアンダーグラウンドなグループがあって、その人たちと、なんか「雷」(1997年結成のレジェンドユニット)の大きなイベントで一緒になることがあったんです。大きなお祭りのようなイベントで、その若手枠に起用されたんです。

 それで、僕らが「雷」のリーダー・RINOさんに呼ばれて、実家が焼き鳥屋なんですけど、そこに呼ばれて。RINOさんに「若手枠をどうするか、これから考えるから来い!」と。で、ちなみにその時に車で迎えに来たのが、のちの「D.O(Dangerous
 Original)」だった。まだラッパーになる前で、金髪にジャージ姿で「お迎えにあがりました」と。どういう世界なんだと(苦笑)。

 で、RINOさんはいなくて、お母さんが仕込みをしていた。そしたらお母さんが「あんたらさ、カレー食って待ってな」とカレーをみんなにふるまってくれたんです。

 その時はみんな「あ、いただきます!」とお礼を言って食べてたんですが、お母さんの姿が見えなくなるとね、ヤンチャな奴らの集まりですから、すぐに「お前らさ、調子に乗ってんじゃねーぞ」みたいな感じになるわけですよ。

――リアルにヤバい…

 ダースレイダー なんか「お前らさ、妄走族とか言ってるけど、本当にケンカ強いわけ?」ってなってる。僕は平和主義者なので、内心「うわーまじか、黙ってカレー食おうよ…」って(笑い)。一触即発になったんですが、そこでお母さんが仕込み終わって、ちょっと顔をのぞかせて「どう? カレー美味しい?」って声かけてきたんですね。その瞬間、みんな「あ、いただいてまーす!」と急にカレーモードに(笑い)。それで「カレーはケンカを止める力があるな」と思ったんですね。

――すごいエピソード

 ダースレイダー 「カレーさえ置いておけば、結構な争いごとが収まるぞ」と。それが原体験です。だいぶ、ハードコアなストリートヒップホップな人たちも、カレー食わしておけば大人しくなるぞと。そこで「ビーフは食ってしまえ!」と。もめごとを笑顔で解決できない苦しんでいる大人たちのために、しがらみで苦しんでいる大人たちのために、ビーフカレーを提供しようというわけです(笑い)。