隻眼のヒップホップMC・ダースレイダーが大マジで語る「カレーと音楽の融合」

2020年07月21日 15時00分

カレーを前にポーズを取るダースレイダー

 【短期集中連載(1)】東大中退という異色の経歴を持つ、隻眼のヒップホップMC・ダースレイダー(43)がなぜかカレーをプロデュース!? このコロナ禍で音楽業界は停滞を余儀なくされているが、大のカレー好きとして、雑誌の「カレー好き100人」に選出された過去もあるダースレイダーは、カレーと音楽を結び付けることによって「新たな音楽の価値付け」を狙っているのだという。さらにカレーに絡めて「コロナ禍のエンターテインメント」についても独自の見解を語った。果たしてカレーにそんな〝深み〟があるのか――。

――コラボのきっかけは

 ダースレイダー 15年くらい前に「ダメレコ」っていうインディーズレーベルを立ち上げたんです。多分、記録上はラッパーが立ち上げた初のインディーレーベルになると思います。レコード会社に所属してなくて、全部自分で、制作から流通に至るまでアーティストがマネジメントするという形ですね。多分、日本で初めてにやったのが僕らだと思います。

 当時、僕(ダースレイダー)と「メテオ(METEOR)」というラッパーと、ROY(現・環ROY)と3人で。頭文字が「D」「M」「R」だったので、そのままレーベルネームにする時に頭文字を取って「DaMeRecord」でいいんじゃね? と。それで各地でフリースタイルして遊んでました。

 当時代々木公園で行われていた「B BOY PARK」(伝説のヒップホップイベント)で、そこで1人の男が話しかけて来て「いま映像の勉強をしているから、なんでもいいからとにかく撮影させてくれ!」と。僕らもレーベルを立ち上げたところで「じゃあMV(ミュージックビデオ)作りましょう」と。その男が工藤さんと言うんですけどね。

 それこそ、地元の高井戸の団地とかに勝手に入っていって、MVを撮ってました。レーベル初期の3、4本は工藤さんが撮ったのかな。ユーチューブとかも無い時代なんで、スペースシャワーTVやMTV JAPANで放送してもらってました。

――再会のきっかけは

 ダースレイダー KEN THE 390もダメレコでデビューしてて、初期作品を撮ってもらってたんです。それでKENがポニーキャニオンから1回デビューするってなった時に、工藤さんに作ってもらってた。で、その後、タイミングが合わなくなって、工藤さんとの仕事もそれっきりで。しばらく連絡取らなくなってたんです。
 そしたら、2年前にKENが福岡にライブで行った時にメールが来たんです。「工藤さんって覚えてますか?」って。それで「おー、工藤さん、どうかしたの?」って返したら、KENが「カレー屋になってます!」って。工藤さんがKENのライブに遊びに来ていたんですよ。
 カレー屋の名前も「ダメヤ」で、それも「ダメレコから勝手に名前をいただいてます」と工藤さんの説明です。そしたらそれが、行列のできる人気店になっていたんですよ。で、30、40分も並ばないと入れない。

 僕も病気して倒れるまでは年間300食カレーを食べてましたし、いまは無くなった雑誌「東京ウォーカー」のカレー好き100人にも入ってましたから。工藤さんとも一緒にカレー食べてたんです。

 そしたら、工藤さんからもあいさつがあって。「紆余曲折あって、人生何があるか分かりませんが、カレー屋になりました。博多に来た際には食べに来てください」と。

 なんか変な話なんだけど、無事が確認できて。映像はやってないけど、カレー屋はやっているという(笑い)。

――劇的な再会

 ダースレイダー で、去年の正月にまた連絡がきたんです。人気店になった勢いで地元の企業と組んで、レトルトカレーを作ったりもしていたらしいんですが、それがめちゃくちゃ売れてて。

「折り入って相談があります。この第2弾を作ろうということになりまして、満を持して、ダースさんと一緒にカレーを作りたいです!」と。

 僕はカレーは食べる専門で、作るのは得意な人に任せようと思っていたんですが、カレー好きとしては自分の名前が世にでるチャンスだし、ダメヤさんも昔のレーベルから名前を取っていて、恩返しがしたいと。

 2019年の春ぐらいから、動き出していたんですね。