将棋の藤井聡太新棋聖のタイトル奪取に、“男・山根”こと山根明氏(80)も大喜びだ。

 かつて故芹沢博文九段は「将棋指しが盤上で向かい合う時には、常に殺し合いに臨むような気持ちでなければならない」と語ったというが、山根氏は「将棋もボクシングも勝負の世界。一つの判断が勝敗を分けるのは同じ」と語る。

 盤上とリングの違いこそあれ、勝負の世界の厳しさを十分に知るだけに「僕のような将棋に詳しくない人間でも分かるくらいの偉業。わずか17歳で歴史の1ページに名を刻んだ。まさに天才で素晴らしいとしか言いようがない。男・山根も80にして、17歳が日本一になる姿が見られて幸せ」と大絶賛した。

 人生の酸いも甘いもかみ分け、多くのボクサーを見つめてきた山根氏の目に藤井新棋聖の未来はどう映るのか?

「歴史をつくった天才だから分かっているとは思うが、あえて言わせてもらえるとすれば…」と前置きし、高名になったがゆえの人間関係に気をつけるべきと助言する。

「歴史をつくれば、これまで関係のなかった人間も集まってくる。いろんな誘いがあるから注意も必要。一番危険なのが異性問題。藤井君に頭は勝てないですけど、これはアドバイスできる。僕は初体験が11歳だから」と笑い飛ばしながら、こうアドバイスを送る。

「17歳といえば一人前の男ですからね。色気が出て当たり前だし、モテますよ。ただ、異性との付き合いは人生を成長させる半面、落ちていくのも異性。人間がさらに上向いていくタイプと、どん底まで落ちるタイプの2通りに分かれる。ボクシングでも天才と呼ばれながら、異性問題でおぼれ、破滅したタイプも見てきたから」

 だが、山根氏の目には藤井新棋聖の未来は明るいと映っている。

「これまでの姿を見ていると、素晴らしいご両親、師匠らに恵まれている。藤井君がすべきことは、これからも初心を忘れず、うぬぼれることなく、関わってきた人たちとの縁を大切にすること。世の中で一番大切な育ててくれた両親、師匠に感謝する気持ちを持って、長く太く日本一で頑張ってもらいたい」とエールを送った。