将棋の渡辺明棋聖(36=王将・棋王)に藤井聡太七段(17)が挑戦している棋聖戦5番勝負第4局が16日、大阪の関西将棋会館で行われ、藤井七段が110手で渡辺 棋聖を破り、3勝1敗で史上最年少でタイトル獲得を達成した。

 将棋は先手番の渡辺棋聖が得意の矢倉を採用。2局はこの戦型で完敗していただけに、リベンジの思いもあったのか。序盤から中盤は渡辺棋聖がいい形で攻め込み、形勢はやや渡辺優位で終盤に入った。しかし、最終番に入って、藤井七段が桂跳ねから一気に必至の形に持ち込み、そのまま逃げ切った。

 これで屋敷伸之九段(48)が1990年に18歳6か月で同じ棋聖のタイトルを取った史上最年少タイトルを更新。7月19日の18歳の誕生日を迎える、3日前の偉業達成となった。

 大偉業を成し遂げた藤井七段は「際どい勝負だった。精進してこれからもいい将棋を指したい」と静かな口調で語った。一方、敗れた渡辺棋聖は「競った将棋で負けているので仕方ない。中終盤の競った局面で気づかない手が多かった。すごい人が出てきたなという印象」と驚きを隠さなかった。

 藤井七段は現在、木村一基王位との王位戦7番勝負(現在2連勝)も進行中。また秋には竜王戦の決勝トーナメントも残しており、複数タイトル奪取も現実味を帯びてきた。