ギョッ! 庶民のサンマが歴史的大不漁 なんと1尾5980円 漁獲量減少の原因は…

2020年07月16日 11時30分

もはや高級魚?

 庶民の魚サンマが歴史的大不漁で超高級魚になってしまう!? 北海道釧路市の地方卸売市場で15日、全国に先駆けてサンマの初競りが行われ、1キロ当たり4万1040円の過去最高値がつけられた。これではまるでノドグロやキンキだ。店頭ではサンマ1匹が税別5980円(税込み6458円)という“ギョッ”とする価格で売り出され、もはや庶民の食卓には上らない高級魚になってしまったかのよう。気軽に「秋の味覚」を楽しめなくなるのか? 漁業関係者に聞いてみると――。

 サンマ1キロ当たり4万1040円の値はもちろん初競りのご祝儀相場ではあるが、高値がつけられた最大の要因は「そもそもの漁獲量が少なかったから」。取り引きされたのは、北海道東部の沿岸での流し網漁で取れたもの。8日に今季のサンマ漁が解禁され、この日が初競りだったが、初日の漁獲量は、たったの21キロという、アッと驚く衝撃的な数字だった。

 統計開始以来、シーズンの漁獲量が過去最低だった昨年の初競りも漁獲量48キロというショッキングなものだったが、今年はその半分にも満たず過去最低を更新してしまった。ちなみに豊漁だった一昨年の初競りは742キロだったから、今年の大不漁はまさに歴史的というほかない。そんな大不漁の原因について、道東小型さんま漁業協議会の関係者は頭を抱えている。

「外国船が乱獲しているとか、黒潮の蛇行で海水温が上がってるとか、いろいろ要因があるんだろうけど…。本当の理由が分かるんだったらこっちが聞きたいくらい。このままじゃご飯を食べていけない」

 サンマ漁獲量減少の原因については、確かに諸説ある。

「黒潮の大蛇行の影響で北海道沖の海水温が上がって、低温域を好むサンマが北海道沿岸まで回遊しなくなった」という見方や、「北海道沖から東の公海までの海域を東西に回遊するサンマが、北海道沖まで回遊してくる前に、外国船に乱獲されてしまうから」という腹立たしい話など。

 だが、前出の漁業協議会の関係者が言うように、ハッキリとした原因が分からず、打開策も見つからないままだ。

 近年は北海道沖で温かい海水を好むイワシが取れるようになったため、生活のためイワシ漁にくら替えする漁師も少なくないという。

 とはいえ消費者にとっては大問題だ。店頭で1匹6500円近い値段だとすれば、定食屋や居酒屋でサンマの塩焼きを食べるといくらかかるのか? 心配になってしまうが…。

 ただ、過去を振り返ると、サンマの不漁が伝えられても、秋になって気づいてみれば1匹100円なんてことも珍しくない。その理由はなぜなのか?

「サンマ漁は船の大きさに応じて解禁時期が異なる。10トン未満の流し網漁船に始まり、次に棒受け網漁船の5トン未満、10トン未満…と続いて、100トン以上の大型船が漁に出るのは、お盆を過ぎてから。時期が遅くなるにつれて水揚げが多くなるので、秋になるとサンマの店頭価格が落ち着いてくる」(同関係者)

 サンマが不漁といっても、秋が近づくほどに大型船がそれなりの量のサンマを水揚げする。おまけに近年の日本人の魚離れもあって、需給のバランスが取れ、結果的に庶民の食卓にも上る価格になるという。

 また今年は、新型コロナウイルス禍で外食の機会が減っている上、外国人観光客が激減したことで、魚の需要も減っている。結果、今年も例年通り、秋に近づくにつれサンマの値段も安くなる可能性が高そうだ。

 庶民価格にまで下がる保証はないが、秋になりコロナが落ち着いて、自宅や居酒屋で気軽に「サンマで一杯」ができればいいが…。