アパホテル9月以降もコロナ感染者受け入れ 元谷外志雄代表が全面協力を明言 

2020年07月07日 12時00分

元谷外志雄氏(右)と妻の芙美子氏

 新型コロナウイルス感染拡大による医療崩壊を防ぐ措置として、無症状者・軽症者を受け入れているホテルは全国にあるが、中でも有名なのが、アパホテルなどを展開するアパグループだ。安倍晋三首相の打診を全面的に受け入れ、現在も部屋を提供している。そうした中、アパグループ代表の元谷外志雄氏(77)が、本紙の独占インタビューに応じ「期間は8月末までだが、要請があれば応える」と、必要ならば9月以降も部屋を提供すると明かした。

 元谷氏は「医療崩壊になれば患者はたらい回しにされ、命を落とすことにもつながる。そうならないために、協力させてもらった。このような取り組みをいち早く行うことで流れをつくり、ホテル業界全部が協力するようにしたかった」と、部屋を提供している意図を説明した。

 貸し出しているのは、日本最大級の「アパホテル&リゾート・横浜ベイタワー」(2311室)や都内最大の「アパホテル&リゾート両国駅タワー」(1111室)などで計9棟に上る。「いまのところ、期間は8月末までを予定している」と元谷氏。

 一時は感染者数が減り、緊急事態宣言も解除されたが、最近は感染者数が再び増加する傾向が見られる。特に東京都の増加は深刻で、6日は102人の感染者が新たに報告された。これで5日連続で100人を超えている。

 第2波の到来が懸念され、医療崩壊の危機が迫っている。夏が過ぎても無症状者や軽症者を受け入れるホテルが必要になる可能性は十分にある。こうした状況に元谷氏は「今後も『部屋を提供してくれ』という要請があれば、また応えていきたい」と、9月以降も提供する考えがあることを本紙に明かした。

 また新型コロナの影響で、観光業への打撃も大きい。同ホテルでもこれまで約3000万人いたインバウンド(海外からの利用者)が、いまでは激減してしまったという。

 それでも元谷氏は「一人でも宿泊を希望される方がいる限り営業する。新型コロナの影響で多くのホテルが休業する中、アパホテルは一日も休まずオープンしていた」と前を向いた。

 アパホテルは自粛期間中、テレワークなどあらゆる用途に部屋を使ってもらえるよう、1泊2500円で利用できるプランを期間限定で販売したり、医療従事者に向けた半額クーポンを発行するなど、利用客を取り込む工夫をしてきた。

 元谷氏は「この機会を利用して、常連客をアパホテルに引き付けるという意味ではかなりの成果があった」と手応えを感じているという。

 新型コロナとは長い闘いになるのは間違いなく、今後は共存していく覚悟が必要だとも言われている。そうした中、ピンチをチャンスに変えるアパホテルグループの取り組みは、我々にも参考になりそうだ。