小池百合子都知事くすぶる国政復帰説 池上彰氏番組では「任期全う」明言せず

2020年07月06日 11時00分

再選した小池百合子都知事

 5日の東京都知事選で366万票を獲得する圧勝で再選を決めた小池百合子氏(67)に疑いの目が向けられている。それはズバリ、国政復帰だ。4年前に掲げた「7つのゼロ」はほとんど達成されず、カイロ大学卒業の学歴にも疑問符が突き付けられていたが、新型コロナウイルスが終息しない中、都民は現状維持を選択。事前の情勢調査でも他候補を圧倒していた小池氏を巡っては、都知事選後の動向も注目の的だった。秋にも解散・総選挙とささやかれる中、国政復帰の可能性はあるのか。

「今日、都知事に改めて選んでいただいたばかり。しっかりと都知事としての仕事を重ねていきたい」

 投票締め切り直後に報道各社の当確が出たばかりの小池氏は、中継でテレビ東京の番組に出演。ジャーナリスト池上彰氏の「4年間の任期を全うするか」との質問にこう答えた。さらに「約束するか」と念を押されると「自分自身の健康をしっかりと守っていきたい」と、どうとでも取れる返答。

 池上氏が「ニュアンスが分かった」と次の質問に移ろうとすると「どういうふうに分かった?」と小池氏からタメ口で逆質問。池上氏が「断言されなかったなあと。今後の状況によっては変わるかもというニュアンスを感じた」と言うと「違いますよ。だから素直に今申し上げたじゃないですか、アハハ」となぜか笑った。

 改めて池上氏が「健康に留意して4年間務めますという意味か」と問い直すと「ありがとうございます。そのようにつとめたいと思います」。とまれ、再選直後から任期途中での辞任が話題になるとは異常だ。

 それもそのはずである。政界関係者の間では「いずれ小池氏は国政復帰するのではないか」との疑念が絶えない。

 ある永田町関係者は「小池氏は自民党の二階俊博幹事長とパイプが太い。二階氏を後ろ盾に国政復帰、そして女性初の首相を目指すということも考えられます」とささやく。

 小池氏は今回の選挙に並々ならぬ意欲を持っていたという。「過去最多得票(433万票以上)じゃないと彼女は満足しない」(別の永田町関係者)。4年前の都知事選は「崖から飛び降りる覚悟」と小池氏は悲壮感を持って臨んでいたが、今回の選挙は勝つのは当たり前でどう勝つかが大事だったという。結果的には360万票を突破した。【注】

 小池氏にとってプラス材料ばかりではなかった。新型コロナウイルスにより東京五輪・パラリンピックは1年延期となり、さらに東京五輪を意識するあまり、都のコロナ対策が遅れたのではないかとの疑惑も呼んだ。4年前の選挙で掲げた満員電車ゼロなどの「7つのゼロ」は達成されず、学歴問題も改めて話題になった。

 一方でプラスに働いたのは、コロナ対策という名目のもと、東京五輪の延期が決まった3月下旬からメディア露出が増加。これが事実上の選挙活動となった。

 告示後は3密を避けるためにオンライン選挙戦を実行。街頭演説も握手もせず、ユーチューブで政策を訴えた。テレビ局の候補者討論会は「小池氏が出たがらないから」(ほかの陣営関係者)と開かれず、追及される機会を減らすことになった。

 結果として圧勝。この人気の証しを引っ提げて国政復帰となるか。

 総選挙は秋にも行われるのではと永田町では解散風が吹いている。野党関係者は「安倍首相のまま選挙をやるのか、トップを変えるのかで違ってきます。もちろん安倍首相じゃない新たな人のもとで選挙をやられる方が怖いですよ」と指摘した。自民党が小池氏を迎え入れる選択をしたら、野党にとっては脅威になる。

 2017年に希望の党を作り、国政に手を突っ込んだ小池氏だったが“排除発言”で勢いがしぼんで失敗している。

 しかし、都知事選で圧勝という実績があれば“夢よ再び”も可能になる可能性は高まった。安倍首相人気に陰りが出るなか、何が起きても不思議じゃない。 

 

【注】都知事選の最多得票は12年に猪瀬直樹氏が獲得した433万8936票。小池氏は前回の291万2628票を大きく上回り、歴代2位となった。