歌舞伎町〝コロナ戦争〟 スカウト狩りの武器に無症状感染者⁉ 

2020年07月03日 12時40分

小池都知事

 東京都は2日、新たに報告された新型コロナウイルスの感染者が107人に上ったと発表した。緊急事態宣言解除後の最多更新は2日連続。都内で3桁に上るのは5月2日以来だ。小池百合子都知事は臨時の記者会見を開き、新たな感染者の多くが20~30代の若年層や“夜の街”関連になっている傾向や、新宿や池袋など特定エリアでの集団検査で目立って増えている点が3月や4月とは違うと強調した。そんな危険な夜の街を代表する新宿・歌舞伎町の現状を緊急リポートする。

 小池知事は記者会見に先立ち、都の新型コロナウイルス対策本部会議で「今後の動向にはさらなる警戒が必要だ。夜の繁華街へ出掛けるのは控えていただきたい」と話した。その後の会見で、休業要請などの措置には否定的な姿勢を示して「感染予防策と経済社会活動の両立を進めていく」と説明した。

 都によると、新規感染者の107人に重症者はいない。ホストクラブなど“夜の街”に関連していたのは29人に上る。

 都の感染者100人超えのニュースに、新宿・歌舞伎町の“住人”たちはあきらめの様子。

「昼過ぎに起きたら店の子たちからいっぱいLINEが来てて、『またお店ダメだね』って。ただ、100人とか聞いてもそんなに驚かない。こうなるってうすうす分かってた」とは、地元ベテランホステスA子さんだ。

 ホストがマスクも着けず街を闊歩。また、営業許可を取っていない“接待を伴う店”が自粛期間中も“闇営業”を続け、地元振興組合も「実態が把握できないから見回りもできない」と嘆いているのを見聞きしてきたからだ。

 それにしても、これだけ歌舞伎町の“夜の街”から毎日毎日、新型コロナ感染者が出ているのに、新規感染者の数は減らない。日本中から「いったい誰がそんな危ない歌舞伎町で遊んでるんだ?」との疑問の声が出ている。きちんと感染予防対策をしている飲食店が多い中、新型コロナ感染拡大の“戦犯扱い”されているのはホストクラブだ。

 あるホストクラブ幹部は「前は社長夫人や実業家女性が太客として、ホストクラブで豪遊していましたが、そのような客はこのコロナ禍ではホスト遊びは控えてますよ。今は客と濃厚接触する風俗店やキャバクラ、ガールズバーに勤務する女の子たちばかりがホストクラブに出入りしている」と明かす。

 そして、ホストはそれこそ3密状況になりやすい生活パターンだ。前出のA子さんは「ホストの大半はマンションの一室で共同生活してるし、酒が入るとノリで回し飲みとかするしね」と言う。

 そのA子さんが「一番怖い」と指摘するのは、無症状感染者の若者だ。

「20代のキャバ嬢とか、感染したのに体調的に問題なく働いてたしね。だから検温とかもう関係ないのよ。知り合いの風俗嬢もコロナになってちょっと入院したけど、退院してすぐ仕事復帰して全然平気だって。そういう人、多いと思うよ」

 ところで、歌舞伎町かいわいでは先月初め、暴力団関係者とおぼしき若者であふれ返り“スカウト狩り”があった。にわかに信じ難いが、その抗争では無症状の感染者が“武器”として使われたという怪情報まであった。

「コロナにかかったホステスを、敵対するスカウトの領地にある店に入店させてたんだって。クラスターを発生させて、店を潰す目的で。あくまで噂レベルだけど、火のないところに煙は立たないからね。新しく店に入ってきた子がいて、それが後々、敵陣の女だったと分かったってことはあったみたいよ」

 揺れに揺れている歌舞伎町だが、風俗店店長B氏によれば「心を病んじゃってる女の子が増えてきている。初めのころ『私は平気』と強気だった子も、これだけコロナが長引いて、ボディーブローみたくダメージがきてる。さすがにもうクラスターが怖くて、ホスクラや昼カラで憂さ晴らしもできないし。目に見えない恐怖を抱えてる人は、前より多くなったんじゃないかな」という。

 こんな状況がいつまで続くのか…。 (本紙取材班)