観光名所ににぎわい戻るも…浅草名物「人力車芸人」の本音

2020年06月22日 17時00分

タケタリーノ山口

 浅草で人力車夫として21年のキャリアを持つお笑いコンビ「瞬間メタル」のタケタリーノ山口(44)が、コロナ禍で観光客が激減した浅草への思いを明かした。

 自身のユーチューブチャンネル「たけひこチャンネル」で、ベテラン人力車夫として、外国人観光客がほとんど見られなくなった雷門前など、浅草の現状をリポート。「仲見世の通りを簡単に横切るなんてできなかった。本当に人が少ないね」と目の前の光景が信じられない様子だ。

 本紙の取材に「去年までのこの時期(6月中旬)と比べると、観光客は1割ぐらいしかいませんね。それでもまだ、戻ってきていると思います。4、5月はほぼいなくて、普段は100人以上いる車夫も1人ぐらいしか車を出していませんでした」と実情を語る。

 緊急事態宣言が解除され、少しずつではあるが日常が戻ってきている。6月中旬、雷門前にも人力車夫が10人以上は客を待っていた。

 ところが、タケタリーノは「本音を言うと、簡単には『安全ですから、浅草に遊びに来てください』とは言えないんですよ」と意外な言葉を漏らし「僕はこの4、5月、車を出さなかった。というのも、心の底からお客をもてなす気持ちになれなかったんです。『自粛中に何やってるんだ』という感じになっていた。乗る側も乗せる側も楽しくなければ、それは違うな、と。21年間車夫をやっているのも、わちゃわちゃとして、なんだか楽しそうな浅草が好きだから。早く、そういう浅草に戻ってほしい。もちろん、稼ぎがなければ、どうしようもないんですが、やっぱりお金以外の部分もありますからね」。

 新型コロナ感染の危険性が完全にゼロになることはないといわれるが、浅草に欠かせない文化だけに「僕が人力車を引っ張っている時は『心の底から楽しませよう』という心持ちになっている時なので、その時は声をかけてください」と気を張っている。