アクリル板はいつまで? 新型コロナウイルスの感染拡大により、3月2日から公演を中止していた大阪市の笑いの殿堂「なんばグランド花月」(NGK)が19日、実に110日ぶりに観客を入れた公演を再開した。

 感染防止対策として、出演者の間にはアクリル板を設置。客席は1・8メートルの間隔をとり、858席のうち112席の使用にとどめた。それでも桂文枝(76)、西川きよし(73)、中田カウス(70)、桂文珍(71)がセレモニーに登場すると、客席からは温かい拍手が送られた。

 セレモニー後には、昨年のM-1王者「ミルクボーイ」を皮切りに漫才、漫談、落語が披露された。駆け付けた吉本興業の大崎洋会長(66)は「東京から見にきてよかった。やっぱり劇場はええな」としみじみ語った。

 コロナと共存しながらの再始動となったNGKだが、アクリル板で仕切られた舞台は、芸人にはやはり気になるようで、文枝が「こんな板越しやと、面会に来たみたいやなぁ。(横山)やすしさんの面会もこんなんでした?」と聞くと、きよしは「ここんとこに穴が開いてましてって、やかましわ」と応じた。

 またこの日、キングオブコントの今秋開催が発表されたが、賞レースを抱える他局関係者は「漫才はなんとかなっても、コントがメインの芸人さんにとっては、アクリル板があるのは致命的。気持ちとしてはなくしてあげたいが、感染のことを考えるとそうもいかない。吉本さんがまず動きだしてくれるといいんですが」とアクリル板解除に向けた動きに期待する。

 ネット上でも「家族以上の付き合いをしているコンビ芸人にアクリル板は必要か?」という声が上がっている。こんな声に対し大崎会長は「難しいとこやね。感染者が出たら、また劇場も閉めないといけない。行政と歩調を合わせているから、早けりゃいいってもんでもないしね」と慎重な姿勢。アクリル板の今後にも注目される。