“カリスマ”のパワハラ訴訟で変わる?睡眠は1時間未満の映画マン

2020年06月18日 17時00分

 ミニシアター系映画館の先駆け「アップリンク」の代表・浅井隆氏(65)からパワハラを受けたとして、元従業員5人が浅井氏や同社に対して、計約760万円の損害賠償請求訴訟を起こし、注目を集めている。

 元従業員らは先日の会見で、映画館の観客の前で理不尽な理由で叱責されたり「お前は病気だ」など、人格を否定するような言動もあったことを公表した。元従業員らは職場の環境改善を求めたが、浅井氏からは「議論の余地はない。会社に残るか、去るか」と告げられたという。原告側は被害者の会を立ち上げたことも明かした。

 アップリンクは1987年に映画配給会社として設立。主に東京・渋谷を拠点に、大手映画会社にはできない単館系アート作品を次々に世に送り出し、浅井氏は“カリスマ”とも呼ばれた。

 映画関係者は「90年代、映画の仕事を志した若者にとっては、憧れの存在だったと思います」。その存在感の一方、部下に対する“スパルタ”ぶりが突出していたという。

「知人の映画宣伝担当者が90年代に浅井さんの下で働いていたんですが、過酷そのものでした。次々に雑用を命じられ、外回りも申しつけられる。その人間は睡眠時間が平均1時間もないぐらい。3か月で体重が20キログラムも落ちました。それでも、映画の仕事に関わりたいという思いで仕事をしていたのですが、最終的には渋谷の109の前で、信号待ちをしている時に意識を失い、植え込みにぶっ倒れて救急車で運ばれました」(同)

 その人物は最終的にアップリンクを辞め、ほかの職場に移ったが、そのトラウマで精神的にひどく落ち込むことがあったという。前出関係者は「今ではあり得ないですが、ひと昔前まで、映画の裏方なんて超ブラック。業界は離職者も多かったですよ」と話す。

 訴訟をきっかけに映画業界が変わるか。