小池都知事「クラスター対策丸投げ」の是非

2020年06月16日 17時00分

 実際の数字はとんでもないかもしれない!? 東京都は15日に新型コロナウイルスの新規感染者数を48人と発表した。このうち夜の街関係者が23人おり、20人は新宿区内の同じホストクラブのホストらだった。同区の集団検査により判明したもので、前日には別の同一店舗のホストクラブから18人の感染者が判明し、騒ぎになっていた。歌舞伎町にホストクラブは200店以上あるといい、すべてを検査したら2000人規模の感染者がいることになりかねない。それでも小池百合子都知事は、19日に休業要請を全面解除する方針。対策は現場に丸投げだ。

「とにかく自分たちで対策をするしかありません。換気をしっかりして、アルコール消毒を徹底する。ボックス席では対面する形ではなく、斜めになって座って距離を取る。ホストクラブもキャバクラ、風俗店も、やれる対策をこれまで以上にやる以外、できることはありません」

 連日のクラスター発生にこう意気込むのは、夜の街の関係者だ。新型コロナの影響で、ただでさえ経営が厳しいのに、再びの自粛ムードだけは回避したいという。

 新宿区では複数の店舗で、集団検査を行っている。都の担当者は「今まで調査に非協力的だった事業者が検査に応じている」と明かす。同区内の歌舞伎町にはホストクラブが200店以上あるといい、1店に10人以上の感染者がいるとすれば、単純計算で2000~3000人にまで、感染者数が増えかねない。

 ましてや夜の街は、女性をターゲットとするホストクラブだけではない。男性客を狙うキャバクラやガールズバー、風俗店の方が多い。さらに都内には歌舞伎町以外にも、至る所に夜の街は存在するのだ。それらすべてを集団検査したら…それこそ、とんでもない感染者数に跳ね上がることも十分に考えられる。にもかかわらず小池都知事は静観する構えだ。

 18人のホストクラスターが発覚した14日、小池氏は「今回は感染者が出た店全体で検査を受けてもらい、無症状の方も呼び込んで積極的に検査した結果としての感染者数だ」と説明したのは本紙で昨報した通り。都は19日にすべての休業要請を解除する方針を変更しないという。

 都は15日に第2波に備えて対策を検討する会合を開いた。冒頭で小池氏は「対策を講じながら社会生活を営む新しい段階だ」とあいさつしている。今起きているクラスターについて都がどうするのか、全く見えてこない状況だ。

 だからこそ、前出の夜の街関係者のように「お店単位や客個人で対策をやるしかない」と、行政に頼らず自分たちの力でウィズ・コロナ時代を生き抜こうとしている。

 歌舞伎町以外の夜の街でも同じだ。六本木や銀座などに高級キャバクラ店を展開している「クラブチック」グループは、消毒や換気、検温に加えて、全スタッフ、女性キャストに新型コロナ抗原抗体キットによる検査を実施するという。その上、希望する客の分も用意するという念の入れようだ。

 また、ある風俗嬢は「店から消毒液が支給されて、自分の荷物やお客さんのカバンを拭くよう指導がありました。やらないよりはマシでしょう」と明かした。クラスター発生源として厳しい視線が注がれる夜の街だけに、それぞれの店で対策を取り、気を付けているようだ。

 小池氏は11日に「自粛から自衛の局面ではないか」と事実上、コロナ対策をそれぞれの店の努力に丸投げすることを表明している。アテにするだけ無駄、ということか?