コロナ第2波なら小池都知事再選に“アラート”

2020年06月15日 17時00分

 東京都知事選(18日告示、7月5日投開票)を前に新型コロナウイルスの第2波到来の兆しが見え始めてきた。東京都で14日判明した新規感染者数は47人で、40人を超えたのは緊急事態宣言下の5月5日(57人)以来。15日も感染者48人と2日連続で40人超えとなった。都による休業要請解除・緩和のロードマップで、ホストクラブやキャバクラといった接待を伴う飲食店や、ライブハウスは19日から全面解除とする方向。しかし、全面解除を目前に、感染者数増加で、小池百合子都知事の再選シナリオにも狂いが出かねない。

 厚生労働省によると、新型コロナウイルス感染症の感染から発病に要する潜伏期間の平均値は約5日間であり、発病から診断され報告までに要する平均日数は約8日間。そのため、「我々が今日見ているデータは、その2週間前の新規感染の状況を捉えたもの」(厚労省)だ。

 つまり、47人の新規感染者の感染時期は2週間前だとみられる。5月25日に緊急事態宣言が解除された後、都は6月1日から独自の休業緩和措置であるステップ2に移行。人の動きが活発化し始めた時期と重なる。

 危機管理の専門家は「第2波の始まりになるかもしれない。小池都知事はステップの逆戻りや東京アラートの再発動はもう行わないとしているが、都知事選どころの話じゃなくなってくる。都知事の感染症拡大の責任が問われる事態になるかもしれない」と指摘する。

 都は今月2日に感染者数の増加がみられるとして、東京アラートを発令したが、11日に解除した。休業緩和措置は12日にロードマップのステップ3に移行し、19日にはクラスターの発生懸念がある接待を伴う夜の街関連も含めて、全面解除する。

 この東京アラートやステップの移行は目安があるものの厳格ではなく、小池氏の恣意的運用との批判が絶えない。「ステップ3への移行と同時に都知事選への再選出馬を表明し、選挙中に全面解除することで、コロナ対策が万全だったとアピールする狙いが見え見え」(政界関係者)

 ところが、東京アラート解除日の11日から3日連続で感染者は20人を超えてしまい、この日はついに47人。約1か月半ぶりの40人超えで、関係各所のショックは大きい。

 小池氏は「(新宿区がホストクラブに対して)積極的に検査を行った結果としての数字であって、かつての数字とはかなり違う」と平静を装ったが、15日には専門家を集めての「第2波対策ワーキングチーム」を立ち上げる。

 そして、18日は都知事選の告示日。「19日に休業要請が全面解除されると小池都知事のアピールにつながる」とは政界関係者。しかし、これはもろ刃の剣であることが今回分かった。19日の休業要請全面解除で、もし新規感染者が大量に出たら、それは2週間後の7月3日ごろという投票日直前に新規感染者数として発表される。

 何もないのが一番だが、感染が拡大すれば小池氏にとってはアピールどころか大きなマイナスになる。

 鳩山由紀夫元首相は14日にツイッターで小池氏について「人の命より政治利用が優先する姿が見える」と指摘した。

 コロナ対策での発言がメディアに取り上げられることが「事実上の選挙活動になっている」ともやゆされるが、収束のめどをつけた後での感染拡大の状況では逆効果。感染者数の推移にやきもきしながらの都知事選となりそうだ。