報ステ復帰の富川アナ 発熱後の出演「判断が間違っていました」と謝罪

2020年06月05日 00時31分

富川悠太アナ

 新型コロナウイルスに感染して自宅療養中だったテレビ朝日・富川悠太アナウンサー(43)が4日、同局系「報道ステーション」に復帰。発熱があったのに出演を続けたことに「判断が間違っていました」と謝罪した。

 自身の感染、そして感染拡大を防げなかったことを検証した。富川アナが発症したのは4月3日と見られるとして、発症2週間前からの行動を説明した。会社以外の場所で立ち寄った主な場所として挙げたのは「3月20日=体育館で知人とバドミントン」「同21日=家族とともに携帯電話ショップ」「同22日=1人でスーパーマーケット利用」。体育館では感染防止のためロッカールームなどは使わず、「休日はほとんど自宅で過ごしていまして、宴会や懇親会にも参加していません」と振り返った。東京都から外出自粛が要請された同28日以降は、会社と自宅を往復する毎日で通勤はタクシーを利用。「結局、この間、どこで感染したのか思い当たるところはありません」と説明した。

 富川アナが最初に体の異変を感じたのは番組出演がない4月3日だった。起床時に38度の熱があった。「前日夜、入浴中にうたた寝したため、風邪をひいたのかもしれない」と考えたのだという。1時間後に熱を測ると36度台の平熱に戻ったという。その日の夜も寝汗をかいたことから4日未明に検温すると38度台に上がっていたが、朝には平熱に下がった。体調に変化はなかったが念のため、都の相談窓口に電話で相談。「その症状だけでは感染と判断できない。もう少し様子を見てください」と告げられたという。

 プロデューサーに「倦怠感も息苦しさもないが、ちょっと熱っぽい。明日、様子を見て受診を考える」という内容もLINEで連絡。その後、体調が普段通りだったことで受診せず、同6日に番組出演した。同7日の放送中に、たんがからむことがあったが「これまでにも経験があり、それほど重く受け止めてはいませんでした。帰宅した後、少し疲れた感じがありましたが、熱もなく息苦しさもありませんでした」と明かした。その後も発熱はなかったが同8日は「階段でいつもより息が切れる感じがした」。同9日、階段で息があがったことから、プロデューサーに「階段を上がるだけで息があがる」「倦怠感や味覚、嗅覚の異常などもなく、どう判断したらよいものか。今日の放送を乗り越えれば休むことができますし」とLINEでメッセージを送ったところ、体温を尋ねられたので「平熱であることを伝え番組出演することにしました」と説明した。放送後に部長、プロデューサーと相談し、翌日に病院に行くことを決めて帰宅。10日、富川アナは肺炎の診断を受け入院。翌11日、PCR検査で陽性と確認され、同13日から出演を見合わせた。

 富川アナは「振り返ってみますと、短時間とはいえ2度も38度台の熱が出ましたけれども、正確に伝えずに番組の出演を続けてしまいました。この判断が間違っていたと思います」と反省を口にした。

 感染したチーフプロデューサーとは近い距離でいたが「マスクを着用していたと思います」。番組では3月からコロナ感染拡大対策として、広い会議室に変更するなど段階的に対策を講じていたが、番組直前に報道フロアで行っていた最終打ち合わせは(感染した)総合演出(の男性)、2人のスタッフとは近い距離だった。富川アナは「詳しい感染経路は分かっていませんが、いまから考えますと、こうした場(放送直前)で感染リスクが高くなっていた可能性があります」とコメント。現在は、出社組とリモートワーク組に分かれて接触を減らし、作業スペースも分散。テレビ会議で打ち合わせを行い、放送までほぼ接触することなく放送に臨んでいる。

 森川夕貴アナ(26)は番組チーフプロデューサーのコメントを紹介した。「今回、自分を含む複数の感染者を出したことについて、全国的に感染が拡大する中、感染防止策が後手に回ってしまった部分が少なくありません。富川キャスターから2度にわたり体調の相談があったにもかかわらず、番組出演や出社を止める判断ができなかった責任を痛感しております。熱っぽいというメッセージを受け取った際に、詳しい症状を確認するべきでした。階段で息があがるというメッセージにも、体温を確認し、『一度、受診を検討しよう』と返信しただけで、当日休ませるという判断まで至りませんでした。熱がないのに休ませるのは難しいという先入観が甘い判断につながったと考えています。報道番組の責任者として猛省しております」

 番組では富川アナの自撮りした入院中の様子などを紹介。熱や咳などの症状はなく「呼吸が浅くなったような感じがして、少しトイレまで歩くと息がきれるような感じがします」と病室内で語る姿を放送した。2重のマスク、防護服、手袋で検査をする看護師の汗を見て「蒸れて暑い中、ずっとリスクにさらされながら、医療従事者の皆さんは頑張ってくれていることを実感しています。本当に頭が下がる思いです」とリポートした。

 富川アナは自身の感染、闘病を振り返り改めて「短時間でも発熱を軽視しない」「正確な体調把握と判断の遅れ」「“密”な環境をなくすことができず」と3つの反省点を挙げた。

「番組のリニューアルにあたりまして、自分が休むわけにはいかないという勝手な思い込みが、結果的に他の出演者やスタッフ、家族にまで感染リスクを高めてしまいました」「番組としても正確な体調の把握ができていませんでした。感染した5人はそれぞれ症状がバラバラでした。息切れ、発熱以外の症状でも少しでも異変があれば休む、休ませるの判断が必要でした」「社会的な間隔(ソーシャルディスタンス)が取れている人に感染者はいませんでした。距離を取ることの大切さを実感しました」と自戒を込めた。

 最後に「入院中、私は命の危険と隣り合わせで闘う医療関係者の皆さんの姿を目の当たりにしてきました。私自身、今回の感染をきっかけに、もう一度初心に戻りましてニュースの現場を取材することにいたします。コロナウイルスの感染防止に少しでもお役に立てたらと思っています」と深く頭を下げた。