小池知事「東京アラート」で神奈川の一部ネット民かみつく「東京、何やってんだ!」

2020年06月03日 14時27分

「東京アラート」が発令され、お台場の自由の女神像のレプリカの後方で赤くライトアップされたレインボーブリッジ(ロイター)

 立場逆転だ!! 東京都の新型コロナウイルス感染者増加で、神奈川の一部ネット民が「東京、何やってんだ!」とかみついている。東京では2日に34人の新規感染者が判明。一日あたりの同感染者が19日ぶりに30人以上となり、小池百合子都知事は「東京アラート」を発令し、都民に注意を呼び掛けた。他方で、先月25日の宣言解除時に都民から“お荷物”扱いされていた神奈川県が、このところ感染を抑え込むことに成功しており、東京への厳しい言葉もネット上で飛び交った。

「東京のとばっちりを食らったら、たまらん!」

 そんな声も出始めている。東京都で判明した34人の新規感染者のうち13人は院内感染が広がる武蔵野中央病院(小金井市)の入院患者だ。同院関係では累計32人となった。

 こうした状況下で都が取ったのは「東京アラート」の発令だ。都は外出自粛や休業要請の緩和・解除の目安として、直近1週間の平均で(1)1日あたりの新規感染者数が20人未満、(2)新規感染者に占める経路不明の割合が50%未満、(3)週単位の感染者増加比が1未満などの指標を示した。現時点で(1)は16・3人で下回っているが、(2)は50%、(3)は2・15と基準値を超えていることなどを考慮し、発令に至った。

 小池都知事は同日夜に満を持して発令を宣言。都民に警戒を呼び掛け、レインボーブリッジと東京都庁には警告を意味する「赤」のライトが。

 現在の休業要請の段階的緩和は「ステップ2」だが、アラート発令だけではステップに変化はない。ネット上では「意味ない」「ただの点灯式じゃないか」とツッコミが殺到。赤ライトが点灯した建造物を撮るべく人が集まり「3密」を心配する声まで上がっている。

 それよりも注目すべきは、夜の街に出入りする若者の間で感染が広がっている点だ。

 2日の新規感染者34人のうち20代が9人、30代も6人いた。5月27日からの1週間で、感染者数の約3割は接待を伴う飲食店従事者が占めるとみられる。地域では歌舞伎町のある新宿区が突出しているという。ガールズバー、ホストクラブ、キャバクラ、ヘルス、ソープ、ハッテンバ(ゲイ風俗)…歌舞伎町は欲望の街だ。

「ホストクラブなどで感染者が出ると、保健所は経路を追いづらい。客から感染したとしても、ホストは顧客情報を安易に漏らせないので『わかんないっすね』で押し通すことが多いからです」(区の関係者)

 新規感染34人のうち、経路不明が12人いるのも、そうした事情が働いている可能性がある。

 こんな危機的状況に陥りつつある東京を横目に、感染の抑え込みに成功しているのが神奈川県。先月25日に緊急事態宣言が解除された時は東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県が人の移動などを考慮し、ひとまとめにされた。そのうち解除の目安とされる人口10万人当たりの感染者数0・5人以下を満たせなかったのは神奈川だけだった。

 他県の住人からは「神奈川のせいで解除が遅れた」「東京の足を引っ張るな」などと、心ない声も浴びせられたが…。

 神奈川県の2日の新規感染者は3人。5月26日から6月1日までの1週間では計37人で、10万人当たりの感染者数は0・4人で減少傾向にある。対する東京は0・6人。

 これを受け、一部のネット民からは、これみよがしに「東京モンはこっち来るな」「神奈川まで(休業要請)食らったら、絶対許さん」など“倍返し”が炸裂している。

 ちなみに小池知事の「東京アラート」に関して、隣接する神奈川県の黒岩祐治知事はすぐにSNSで「東京アラーム発動。接している神奈川県としても他人事ではありません」と投稿。危険への警告の意味があるアラートと、目覚ましの意味で使われがちなアラームを間違えてしまった。住民から「知事!アラームじゃなくアラートです。コロナを起こさないでください」と投稿が寄せられた。

 やたらとカタカナを連発する小池知事。最難関の灘中高校から早大を経て、フジテレビ全盛期のキャスターを務めた黒岩知事が間違えるようでは、東京アラートのネーミングは失敗かもしれない。

 いずれにせよ、東京の感染者の推移は、隣接する他県にとっても決して人ごとではない。