テラハ打ち切り・フジ炎上煽っていた SNSで批判防ぐどころか視聴率アップ狙う行動

2020年05月28日 17時00分

死去した木村花さん

 打ち切りだけで済む話ではない! フジテレビは27日、リアリティー番組「テラスハウス TOKYO 2019―2020」の制作と放送を中止すると発表した。出演していた女子プロレスラーの木村花さん(22)が23日に死去。自殺とみられる。番組での花さんの言動にSNS上で中傷が相次ぐ騒動が起きていたが、フジはこれを防ぐどころか、逆にあおって視聴率アップを狙う行動を取っていたのだ。

 フジは「木村花さんがご逝去されたことについて、改めてお悔やみ申し上げます。またご遺族の方々にも深く哀悼の意を表します。この度のことを重く受け止め、今後も真摯(しんし)に対応して参りたいと考えております」とコメント。公式動画配信サービス「FOD」での配信も停止する。

 番組を海外にも配信している米ネットフリックスによると、新着エピソードの配信は見送るが、配信済みの回は引き続き視聴できるという。

 男女6人のシェアハウス生活を映し出す「テラスハウス」。本紙でも既報したが、花さんにSNSで誹謗中傷が浴びせられるようになったのは“コスチューム事件”がきっかけだと言われる。試合用コスチュームを間違って洗濯し、縮ませてしまった男性に激怒した模様が放送されると、非難が殺到したのだ。

 この模様は3月31日にネットフリックスで先行配信され、フジテレビの地上波で放送されたのは5月18日のこと。先行配信した段階で、花さんはネットで大炎上してしまっていたにもかかわらず、フジは地上波で放送した。だが、それだけではない。

「テラスハウス」の公式ツイッターでは5月14日、3度にわたって「“コスチューム事件”その後」と、番組サイド自ら“事件”と記している書き込みがあった。ちなみに現在は削除されている。

 まず「“コスチューム事件”その後Vol.1」と記されたツイートには「快が花のプロレスの衣装を乾燥機にかけてしまったことから始まったコスチューム事件。後日ビビと夢で事件について話す。気まずさを抱えた2人は花に面と向かって話そうとなるが…」と、興味を引くように記されていた。

 続く「“コスチューム事件”その後Vol.2」は「花、号泣」と書かれたうえ「ついにビビと夢が事件について花と話をすることに。ビビの意見を聞いた花は…」とある。

 さらにVol.3には「プレイルームを飛び出した花ともう一度話し合うことに。快が卒業してから全く連絡がとれていないことも発覚するが…」と記されていた。

 そのうえ同じ14日には、ユーチューブの公式チャンネルで、コスチューム事件後に放送された未公開映像を公開している。地上波では18日に放送されることを考えると、フジは花さんへの誹謗中傷に対して配慮するどころか「視聴率を上げるためにあおって宣伝した」と言われても仕方がない。

 他局の民放関係者は「SNSによる出演者への誹謗中傷をフジは『バズっている!』と思ったとしか考えられない。打ち切りは当たり前だし、今後は再発防止に向けて問題をきちんと検証する必要があるのは当然だ」と手厳しい意見を語った。

 だが、フジが再発防止に向けた努力ができるかというと、疑問符が付く。

 昼の情報番組「バイキング」では、花さんが亡くなってから最初の放送となった25日、この問題を取り上げたが「あまりにも報じ方がひどくて批判を浴びている。同業者としてさすがにあきれたよ」(同)。

 まず放送開始直後、花さんの死を報じたが、わずか5分ほどで終了。その直後に花さん同様、SNSの炎上により昨年11月に自殺した元「KARA」のク・ハラさんの話題を延々と約30分にわたって放送したのだ。

 これには「都合が悪いから話題をすり替えた」と批判が殺到した。

「ク・ハラさんも痛ましい事件だが、何もあの日にやることはない。“SNSの恐ろしさ”という共通点だけで扱ったんだろうけど、それより自分の局で制作した番組の責任を検証すべき」(同)

 花さんに対しフジが唯一できることは、再発防止に向けてきちんと取り組むことだけだろう。