人気漫画のラストは騒動も呼んだ。18日発売の週刊少年ジャンプ(集英社)で、約4年4か月にわたって同誌に連載されてきた「鬼滅の刃」が完結した。単行本が累計6000万部を超える人気作の最後とあって、ネット上で話題沸騰。作者のなりすましツイートに多くのファンがだまされる?騒ぎも起きた。

「ご注意下さい」というジャンプ編集部によるツイートが流れたのは18日の夜明け前のこと。「鬼滅の刃」作者の吾峠呼世晴氏を名乗るツイッターの偽アカウントへの注意を促す内容だった。

 同作の終了はすでに話題になっており、「鬼滅完結」がツイッター「世界のトレンド」で、同日午前2時時点で6位(5万860件)にランクインしていた。そんなさなか、作者の名前で「ツイッター?始めました。吾峠呼世晴(ごとうげ こよはる)と申します。週刊少年ジャンプにて『鬼滅の刃』を連載しております。慣れないですがよろしくお願いします」というメッセージが発信されたものだから、たちまち拡散した。

 リツイートや「いいね!」が相次ぐに至り、ジャンプ編集部が注意喚起のツイート。これに「フォローしようとしたところだった」と偽であることに気づいた声や、「深夜にお疲れ様」と想定外の事態に煩わされた編集部へのねぎらいの言葉が寄せられた。

 偽アカウントは短時間で削除されたというが、フォロワーは約4万に達したという。偽アカ騒ぎといえば2016年、女優・深田恭子になりすましたアカウントが結婚をにおわせ、かつ否定するかのようなコメントを発し、7万6000人のフォロワーが集まったことがあった。それをほうふつさせる騒動は、「鬼滅の刃」の人気のすさまじさを物語る。16年2月に連載が始まった同作は、単行本も大ヒット。新型コロナウイルスが暗い影を落とした今年、4月に予定されていた20巻は今月13日に発売が延期され、同日は各地の書店で買い求める客の大行列ができたことがニュースになった。その人だかりに、コロナ感染リスクを呼ぶ「密」が生じたことも話題に。そんなコロナ渦の下で連載が終わった。

 作品のホームページによると、同作は大正時代を舞台に、家族を鬼に殺された炭売りの少年が、生き残るも“鬼”に変貌した妹を人間に戻し、鬼を討つため“鬼狩り”の道を進むというストーリー。18日発売号では最後に「長きに渡るご愛読、本当にありがとうございます」との言葉がつづられた。

 ネット上では「鬼滅ロス」も話題だが、単行本は7月3日に21巻が発売予定で、22、23巻の刊行はホームページで告知される。10月には劇場版アニメの上映も予定されており、「鬼滅」人気はまだまだ続きそうだ。