ハリウッドのコロナ対策に80年代「エイズ禍」乗り越えた米アダルト業界が助言

2020年05月16日 17時00分

 新型コロナウイルスの感染拡大により、ほぼ全ての製作が停止しているハリウッドでは、ロックダウン(都市封鎖)解除後を視野に入れ、どう現場の安全を確保するか、頭を悩ませている。そんな中、「自分たちの経験と取り組みを参考にすべきだ」とポルノ業界が協力を申し出た。

 米アダルト産業の聖地として知られるロス郊外サンフェルナンド・バレーでは、1980年代にエイズ禍という業界最大のピンチに直面した。当時は未知の感染症への恐怖から業界を去る女優が続出。製作側は「ポルノはもうダメだ」と絶望したという。

 米アダルトビデオ業界団体のマイク・スタビル代表は「それを乗り越えたのは徹底した検査と感染追跡。それと製作中断だった」と米FOXニュースに明かした。

「もちろん今回はウイルスが違うし、脅威の種類も違う。しかし一般論として、どう自分たちを守り、どう対処すべきかは理解している」

 スタビル代表は、ハリウッドでも新型コロナ検査の徹底と、非感染者で健康な出演者やスタッフのデータベースを作ることを提案している。米アダルト業界では、HIV検査の結果を陰性だと偽った男優により、複数の出演者がエイズに感染するという衝撃的な事故が発生。それをきっかけに90年代、データベースを作成した。その後は業界内感染を最小限にとどめてきたという。データベースを発案したのは、70年代から長年、人気ポルノ女優として活躍し、その後医師に転身して米アダルト産業医療健康財団の創立理事も務めるシャロン・ミッチェル氏(64)だ。同システムでは、アダルト俳優に14日ごとの検査を義務づけ、最新情報をデータベースに更新するという仕組みになっている。

 スタビル代表は新型コロナが飛沫感染するなど予防がより複雑だとした上で「直面する課題もハリウッドとアダルト産業ではそれぞれ違うが、互いに学べることはあるはず」と指摘。活動再開に向け、ハリウッドの安全ガイドライン作りに協力することを約束した。