新型コロナウイルス感染拡大による休校、外出自粛が続き、中高生の妊娠相談が急増している。
熊本市の赤ちゃんポスト「こうのとりのゆりかご」を運営する慈恵病院では、4月の中高生からの相談件数が過去最多だったという。11日に会見した同院によると、全国からの相談件数592件のうち、中高生は75件。昨年の58件、一昨年の52件と比べても増加した。
「休校の影響で在宅の時間が増え、交際相手と性行為をして、望まない妊娠をするケースが目立っている」(同病院)
相談内容には「親が家にいない間に交際相手と性行為をした。避妊できているか不安」など、例年ならば、夏休みなど長期休み期間に増える相談があった。神戸市の助産院にある相談窓口「小さないのちのドア」には今年2月以降、10代少女の相談件数が前年比3倍に増加している。
新型コロナ対策による休校措置に伴う、中高生の妊娠については早い段階から指摘されていた。
国際政治学者の三浦瑠麗氏は、4月1日時点で「休校によって小学校高学年から中高生の女子の望まざる妊娠が急増する可能性がある」と指摘していた。慈恵病院への中高生の相談件数が過去最多という報道を受け、三浦氏は12日、ツイッターで中高生へ向け「怖いよね。でも助けてくれる人がいるから助けを求めようね」と呼びかけた。
民間の相談窓口関係者は「外出自粛でDV、児童虐待が増加するのも、家の中にいなければいけないから。行政機関の担当者もコロナで家庭訪問ができなくなっている。中高生も同じで、出歩けず、交際相手と引きこもりがちになり、妊娠する危険性も増す。閉塞感からか、男性側のDV性の高い性行為も増えている。犯罪に関わるケースもあるので、女性は一人で抱え込まず、とにかく周囲や窓口に相談してほしい」と話している。