「新しい生活様式」夏のマスクに熱中症リスク

2020年05月11日 17時00分

今後も欠かせないマスク

 5月に入って早々に、真夏日を記録する地域も出た。5月からは暑い日が続くため、例年5~9月の1週間ごとに行われてきた熱中症の救急搬送数の集計の公表を、総務省消防庁が今年は当面見送ることを決めた。新型コロナウイルス感染症への対応を優先するためだ。しかしその新型コロナの影響で、不要不急の外出自粛とマスク着用のムードが拡大…今年は熱中症のリスクも高まりそうだ。

 5月から熱中症に注意すべきシーズンに入った。消防庁によると昨年5月は4448人が救急搬送されたように毎年、多くの熱中症患者が出ている。一昨年はその51・1%、昨年は46・9%を65歳以上の高齢者が占めた。新型コロナウイルスの蔓延のため、今年は特に熱中症への注意が必要だ。

「新型コロナウイルスによる不要不急の外出自粛の生活で運動量が減っており、筋肉がおのずと衰えてしまう。筋肉は体の中では最も大きい水分を貯蔵するところで、筋肉量が減っているということは、体内にとどめておける水分量が減ってしまうことに等しい。今年は例年よりも脱水しやすい環境になっている」

 こう解説するのは済生会横浜市東部病院の谷口英喜医師だ。谷口氏は、かくれ脱水(深刻な脱水症状の一歩手前の状態)の予防法などを広めている「教えて!『かくれ脱水』委員会」の副委員長でもある。同委員会は医療や福祉の専門家が在籍し「深刻な脱水症状を防ぎ、熱中症で搬送される人をゼロにする」をモットーにしている。

 マスクは一般的に、冬のインフルエンザの季節と春の花粉症の季節に着用する傾向にあるが、今年は新型コロナ感染拡大予防のため暑くなるこれからも着用は欠かせない。

 先日、政府の専門家会議が提言した「新しい生活様式」では、長丁場の感染拡大に備えて密集、密接、密閉の「3密」を避けるべしとしている。具体例として「マスク着用」や「食事は横並びで座る」「毎朝検温」「テレワーク」などが示されている。

 外出先だけでなく、オフィスなど屋内でもマスク着用が“義務化”されているが、マスクをすることで熱中症のリスクにつながる2つのデメリットがあるという。

「一つはマスクをつけっぱなしだと口の中の渇きが緩和されてしまうため、喉の渇きに気づきにくいこと。もともと高齢者は若者に比べて気づきにくいが、さらに感じにくくさせてしまう。2つ目はマスクをつけることで体温が上がりやすくなる傾向にあること。体の中に熱がこもり、体温調節しにくくなるリスクがある」

 熱中症の対策には水分補給が欠かせないが、スポーツドリンクよりも効果的なのが「経口補水液OS―1」だという。

「OS―1は、腸内で効率よく吸収されるための塩分と糖分のバランスが整っている。スポーツドリンクは糖分が多過ぎて吸収が非効率的になってしまう。OS―1は医者が脱水症状のある患者に勧めるものでもあり、ドラッグストアや一部のコンビニエンスストアでも購入することができる。1日1本を目安にこまめに摂取して、熱中症を予防してください」

 これからは、いつも以上に自分の体調に注意し、熱中症対策に努めたい。