名脇役として知られた俳優の志賀廣太郎さんが、先月20日に誤嚥性肺炎のため亡くなったことを所属事務所「レトル」が公式ホームページ上で発表した。享年71。

 志賀さんは昨年の春に脳梗塞で倒れて以降、復帰に向けてリハビリを続けていたが、望みはかなわなかった。遺族の意向により、葬儀は29日に近親者のみで行われた。

 最近の代表作の一つであるテレビ東京系の人気ドラマ「三匹のおっさん」シリーズ(2014年~)で、志賀さんは「おっさん」の一人として、無敵の頭脳派「ノリ」役を演じて作品を盛り上げた。

 同ドラマで剣道の達人の「キヨ」役を演じた北大路欣也は「三匹揃って暴れまくった撮影現場、志賀さんの魅力的な声、懐の深さ、素晴らしい出会いに感謝の思いでいっぱいです。合掌」とコメント。柔道家の「シゲ」役を演じた、ミュージシャンの泉谷しげるはブログで「オレは信じないからな。ノリさん、早く治して『三匹のおっさん』の戦列に復帰してくれよ。ノリさんしか出来ないことイッパイあるンだからさ」と悔しさをにじませた。

 こんな志賀さんについて芸能関係者は「まさに縁の下の力持ちで、先頭には立たないが、作品に力を与える。おっさんシリーズも主演の北大路さん、一匹狼の泉谷さんをつなぐ、重要な役割を担っていました。おっさんが主役という地味めな作品を大ヒットさせた“陰の立役者”です」と話した。

 また、テレビ局関係者はこんな見方も。

「ジャンルは違いますが、タモリさんのような存在感というんですかね。どこかひょうひょうとしていて、自然体だけど、仕事は一流。慕う人が多かったのもうなずけます」

 お別れの会に関しては遺族や所属劇団の青年団と相談の上、開催するという。