医療ジャーナリスト・村中璃子氏「医療従事者の使命感に頼ってもらっては困る」

2020年04月22日 16時09分

 医師で医療ジャーナリストの村中璃子氏が22日、自身のツイッターで医療従事者を過度にたたえる風潮に疑問を呈した。

 新型コロナウイルスの院内感染が多発。現場で恐怖と闘いながら治療に当たっている医療関係者に対し、感謝や賛美する声が出ている。しかし村中氏は「日本の医療従事者の使命感、責任感、自己責任に頼ってもらっては困ります」と断じている。

 さらに「ウイルスとの戦争には、神風の精神では太刀打ちできません。アビガンの効果はまったく不明です。防護具も足りてません。医療者もちあげて、医療者に神風を強要するのはやめて」と訴えた。

 医療従事者の献身に頼り切っているのが現状だが、早急に必要なのは「新型コロナ医療のセンター化、新型コロナ以外の患者のスクリーニング体制」。これが実現しない限り「通常医療は縮小せざるを得ないし、そのことによる死者の数は新型コロナによる死者をはるかに上回るでしょう。院内感染も増え続けます。美辞麗句は不要です」と警戒を促している。リスクが伴う現体制のまま称賛し、プレッシャーをかけるのは医療従事者を疲弊させ、危険にさらすだけだというわけだ。

 村中氏はまた「医療従事者の献身を称賛する運動は世界中で起きており、いいことではあるが、それが医療者のタクシー乗車拒否や家族の保育園受け入れ拒否などの医療者差別をなだめる動きには直接つながっていない」とも指摘している。