創業152年の老舗弁当店も…止まらない飲食業界の有名店廃業

2020年04月21日 17時00分

 新型コロナウイルスの感染拡大により、大打撃を受けている飲食業界では廃業が相次いでいる。

 東京・銀座の歌舞伎座前にある創業152年の弁当店「木挽町辨松(こびきちょうべんまつ)」は20日に店をたたんだ。

 歌舞伎座での公演が中止になり、弁当店の客も激減。店主は昨夏から後継者と譲渡の交渉を進めていたが、コロナで収益が悪化し破談になった。

 飲食業界では有名店の廃業も止まらず、東京・吉祥寺にある一軒家のレストラン「芙葉亭」は、ホームページ上で5月に閉店することを発表。同窓会やパーティーの場として利用される機会が多く、感染拡大で予約キャンセルが続いていた。

 井の頭公園に面した店の経費(人件費、食材費など)は毎月800万円だったという。

 政府からの給付金、東京都の休業協力金などの制度もあるが、家賃などの支払いができなくなり、廃業に追い込まれる飲食店は後を絶たない。

 また、「ミシュランガイド」で高い評価を得た東京・四谷や銀座の有名すし店では数年前から、東京五輪の特需を見込んで、弟子が次々と独立していったという。

 ある料理人は「エンジェル投資家(資金を提供する裕福な個人)が有名店の弟子を引き抜き、豪華な店を構えさせたが、味はイマイチなこともある。仮にコロナが終息しても、こうした店は廃業に追い込まれるだろう」と指摘する。

 厳しい情勢から、テークアウトにかじを切る店も多いが「店内で食べる前提の料理をそのまま容器に詰めても、家で食べるとまずい。冷めてもおいしくするには、ノウハウがないと難しいんですよ。また、ランチと同じようにテークアウトでの儲けは少ない」(同料理人)。

 一方で有名シェフの中には、病院で働く医療従事者へ弁当を無償で提供したり、自宅で自粛中の人へ店のレシピをSNS上で公開するなど取り組みを行っている人もいる。

 飲食業界は、これまで経験したことのない窮地に立たされている。