結局、批判ばかりだ。安倍晋三首相は20日、新型コロナウイルスの緊急経済対策で全国民に一律給付する10万円について、全閣僚が受け取りを辞退する申し合わせをしたと明かした。また、自民党のすべての所属議員も辞退する方向で調整しているという。

 一律給付金について安倍首相はもらうのかという問題が起きかねないことは本紙が指摘していたとおり。安倍首相は辞退することでこの問題に決着をつけるつもりのようだ。コロナによって経済的な影響をまったく受けていない安倍首相ら国会議員とはいえ、歓迎される判断かと思いきや…ネットでは批判的な意見が目立つ。

「給付辞退って、威張って言うことじゃないでしょ」「辞退するくらいなら受け取って寄付してください」「受け取らないことが美徳みたいな空気の醸成やめろ」などと評判がよろしくないのだ。「素晴らしい」という意見はゼロではないが少ない。

 本紙が指摘したもう一つの問題は残っている。昭恵夫人は受け取るのかという問題だ。つまり家族はどうするのか。閣僚の家族には、小泉進次郎環境相の妻で2億9000万円の資産が昨年報告された滝川クリステルもいる。

 安倍首相をはじめ閣僚らは野党から「家族はどうするのですか」と追及されることは避けられない。コロナのマイナス影響がないのは家族も同じはずだから確認されるのは当然だ。ネットでも「家族も辞退だよな」と筋の通った対応を求める意見がある。

 2009年の定額給付金のときに麻生太郎首相(当時)は「景気対策だから受け取って地元で消費する」と言ったが、同じようにした方が批判も面倒も少なかったかもしれない。