富川アナら有名人のおわび続出「コロナ謝罪」の処世術

2020年04月21日 17時00分

新型コロナウィルスに感染した石田(右)と代わりに謝罪した妻の東尾理子

 新型コロナウイルス感染者は、今なお増加し続けている。国内では感染者の累計は1万1000人を超えた。20日に亡くなった人は25人で、1日の死者数としては最多、累計は276人となった。近しい人に感染者が出てもおかしくない状況で、何より自分が感染する可能性も高くなってきた。ふと有名人の感染者に目を移すと、謝罪する人ばかり。コロナに感染したら謝罪する風潮があるけれど、もし自分が職場第1号になっても謝らなきゃいけないのだろうか。

「報道ステーション」(テレビ朝日系)の富川悠太アナは、番組を通じて「番組で繰り返し感染予防を呼び掛けていた立場にもかかわらず、このような事態を招き、視聴者の皆様、関係者の皆様に大変なご迷惑をおかけしました。申し訳ございません」とコメントを発表。石田純一の妻・東尾理子はブログで「お詫び」と題して「私共の行動で多大なるご迷惑、ご心配をおかけする事になり、心からお詫び申し上げます」と石田の代わりに謝罪した。

 このように新型コロナに感染した有名人や関係者には、謝罪するケースが多い。「謝罪しろ」とSNSで追い込みをかける人たちもその風潮に拍車をかけている。

 謝罪する人たちを見て「もし自分が感染したらどうしたらいいのか」と思い悩む人も多いはず。それくらいコロナの足音が近づいている。

「職場第1号になりたくない」とおびえるのも無理はないが「感染したらどうするか」を考えておくのも大事だ。

 大人社会の処世術を説く「大人力検定」の生みの親でコラムニストの石原壮一郎氏(顔写真)は「感染して謝る風潮は変だと思います。感染したくて感染したわけではないですからね。ただ、謝らず開き直るのが大人として得策なのかどうか、という側面は見逃せません」と生きにくい世の中の事情を指摘した。

 地方では「感染者が村八分にされている」などとSNSで噂されるほど、忌み嫌われているという。感染しても言いだしにくい空気があるのは事実だ。

 同時に「こういうときは謝るものだ」という空気が日本社会に存在することも忘れちゃいけない。

「謝った方がコロナに感染したと会社や上司に切り出しやすくなるのなら、謝ることじゃないというこだわりは捨て謝る。淡々と説明しましょう。“肉を切らせて骨を断つ”ですよ。避けるべきは感染を言いださないで周りにうつしてしまうことです」(石原氏)

 風潮に迎合してしまうことを甘んじて受け入れつつ、より大事な感染拡大防止を優先しようというわけだ。もっとも大人力を問われるのは感染者ではなく、感染の報告を受ける側こそだという。

「自分が上司だとして、部下から『感染した』と言われたときに、同情したりねぎらったりできるかを大人として問われているのです。これはコロナが人類に課した課題とすら思えます。『何やってんだ!!』と怒れば、一生根に持たれることは避けられません。だから、事前に脳内でシミュレーションをして、壁に向かって予行練習をしておきましょう。とっさに『お大事に』を言えるように準備するのが大人ですよ」(前同)

 結局、感染したと報告する側でも報告される側でも“言いだせる空気”をつくり出しておくことが、感染拡大の防止につながるというわけだ。言いだせないままだと、周囲に感染者が続出してしまう。

「自分が感染するかもしれないという想像ができることが大人です。集団免疫を手に入れるためには、多くの国民が感染しないといけないという話も聞きます。みんな感染するのなら、早いか遅いかの違いでしかありません」(同)

 こんなときだからこそ感染することは悪いことじゃないんだと心を大きく持ちたいものである。