ガガ 渦中のWHOテドロス事務局長絶賛に「どうしちゃったの?」の声も

2020年04月21日 17時00分

番組では見事なパフォーマンスを見せたガガだったが…(ロイター)

 新型コロナウイルスによるパンデミックの最前線で戦う医療従事者への感謝を込めて先週末、特別歌番組「ワン・ワールド/トゥギャザー・アットホーム」が世界同時放送・配信された。テイラー・スウィフトやセリーヌ・ディオンら大物歌手ばかり70人以上がそれぞれの自宅から中継で参加。一夜にして約137億円の義援金を集めたが、同番組の発案者であるレディー・ガガ(34)の“ある発言”が波紋を呼んでいる。

 18日発行の本紙で既報したように、同番組はガガが発案したもの。米3大ネットワークのABC、CBS、NBCがガガの趣旨に賛同し、局間の垣根を越えて18日夜(日本時間19日午前)に放送され、同時にユーチューブなどでもライブ配信された。

 中でも“伝説の英ロックグループ”ローリング・ストーンズや若者世代を代表する米シンガー・ソングライター、ビリー・アイリッシュらのパフォーマンスは、新型コロナ感染に苦しむ世界中の人々を励まし、大きな感動を与えたのは間違いないだろう。

 世界保健機関(WHO)と協力し、同イベントの主催団体となった「グローバル・シチズン」は19日、企業や慈善家などから1億2790万ドル(約137億6600万円)の寄付が集まったと発表。WHOによると、このうち5500万ドル(約59億円)が同機関の新型コロナ対策基金に寄せられた。こうして前代未聞のオンライン歌番組は盛大に幕を閉じた。

 ところが番組直前の会見でガガが発した言葉が、多くの人をあぜんとさせてしまった。こともあろうに、WHOのテドロス事務局長を「あなたは本当のスーパースターよ!」と大絶賛したのだ。このことでツイッターなどSNS上では「ガガ、どうしちゃったの?」と、困惑と失望が交じったコメントが広がってしまった。

 というのも、新型コロナのパンデミックに対するテドロス氏の対応については、世界中から批判の声が上がっている。さらにトランプ米大統領は先週、「中国寄りでパンデミックへの対応を誤った」として、米国からのWHOへの拠出金停止を決定。ネット上でも多くのユーザーがテドロス氏を“中国共産党の代弁者”と呼び、世界的オンライン署名サイト「Change・org」では、事務局長辞任を求める署名が100万人を突破する勢い。まさに渦中の人だからだ。

 そんなテドロス氏を称賛したガガについて、米メディア関係者は「ハリウッドを代表する反トランプとして知られているガガにとっては、トランプ大統領と対峙するテドロス氏は“敵の敵は味方”なのだ」と分析している。

 また、ガガの母親で慈善家、活動家としても知られるシンシア・ジャーマノッタ氏が昨年、WHOの親善大使に任命され、同機関と関係が深いこともテドロス氏を持ち上げる大きな理由だとしている。

 自ら発案したチャリティー番組は大成功に終わったが、せっかくの善意イベントが政治利用されたとすると、残念としか言いようがない。