ITジャーナリスト SNSでの「布マスクへのクレーム」に違和感

2020年04月20日 17時00分

配達が始まっているアベノマスク

 アベノマスクの前に厚生労働省が全国の妊婦に配布した布マスクの一部に不良品が見つかっているという。厚労省によると、19日までに全国から「虫が入っている」「汚れが付着している」「髪の毛が入っている」など1901件の不良品報告が上がっており、今後は回収して新品と交換に応じるという。

 妊婦向け布マスクは14日からまず50万枚発送していた。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、政府は17日から各世帯2枚ずつ布マスクを配布しているが、早々に大恥をさらしてしまった格好だ。

 アベノマスクとやゆしてきたネットかいわいも、この妊婦向け布マスクの不良品に敏感に反応。「マスクが不衛生ってのはあり得ない」ともっともな声が上がった。中には本来横長に装着するマスクが、縦長にしなければ装着できないというにわかには信じられない不良品の報告までされている始末だ。

 これにITジャーナリストの井上トシユキ氏は、「SNSで文句を言っている人の多くが不良品の画像を載せてないのは違和感がある。政府への不満から架空の話を作ってネタにしている可能性はあるのでは」と指摘する。

 確かにSNSに載せる以上は「いいね」を稼ぎたい心理が働くものだが、圧倒的インパクトがある不良品画像をほとんど確認することができない。

 今後、全世帯にアベノマスクが到着すれば、一部で不良品も出てくるかと思われる。画像付きの不良品があれば、ネットは炎上するだろう。しかし、ただの鬱積(うっせき)した不満と切り捨てるのは危険かもしれない。

「政府の対応に不満を持っている人が多いのは事実で、その中から業を煮やして過激なサイバーテロに走る人が出てくる可能性はある。実際に韓国では政府の初期対応に不満を持った人たちが、サイバーテロを計画した事例もあったようです。日本でも注視は必要です」(井上氏)

 政府への不満があっても冷静に行動したいところだ。