ソフトバンクグループ1兆円超え営業赤字 ネット上で“損さん”称賛のワケ

2020年04月14日 17時00分

孫正義氏

 ケタが違った。孫正義氏(62)率いる「ソフトバンクグループ」が13日、2020年3月期(19年4月~20年3月)の連結営業損益が、1兆3500億円の赤字になる見込みであることを発表した。連結純損益は7500億円の赤字。

 前年同期は2兆3539億円の黒字だった。巨額赤字の原因は新型コロナウイルスの感染拡大による世界的な株式市場の悪化にある。

 同社は先端企業に特化して投資するファンドで、投資先が急成長すれば爆益、そうでなければ大損という、まさにバクチのようなビジネスを展開。これまでは孫氏の先見の明で何とかなってきたが、さすがに新型コロナの蔓延は予見できず、投資先の経営は次々と危うくなっていった。

 3月末には出資先の一つで英米に拠点を置く衛星通信ベンチャー「ワンウェブ」が破綻。大枚をブチ込んできた共有オフィス「ウィーワーク」も経営難で株価が急落し、計8000億円の営業外損失を計上した。

 ソフトバンクGはすでに3月に自己株式取得と負債削減のため、4兆5000億円の資産売却を発表している。

 そんななか、ネット上では孫氏に「ありがとう」の声が噴出している。理由の一つは、ひと月3億枚のマスクの無償提供を宣言したことだ。

 同氏はツイッターで「出来ました。世界最大マスクメーカーBYD社と提携し、SB用製造ライン設立」と投稿。“アベノマスク”の1世帯2枚だけとはエライ違いだ。

 もう一つは、1兆円を超す赤字を堂々と発表したことに対してだ。

 一方的な休業要請に、飲食店をはじめとした経営者は苦しんでいる。それでも「1兆円の赤字に比べたらまだマシ」「なんか勇気づけられた」「大赤字でもマスクを提供するのだからすごい。自分の悩みがバカみたいに思えてきた」と、孫氏の“生き様”に励まされた人が続出しているのも事実だ。

 ネット上では「損さん」と呼ばれる始末だが、常人には理解できない世界で、今もソロバンをはじいていることだろう。