女優でグラビアアイドルの田中はな(23)が4日夜に地下鉄車内で盗撮被害に遭ったことを6日、事務所を通じて報告した。田中自身が被疑者を追って駅員に通報。被疑者は駆けつけた警察官に引き渡されたという。

 警察の調べによると、犯行は乗車した4日午後10時31分から10時56分の25分間に、主にスカート内を狙うようなアングルで計6本の動画、約10分が撮られていたという。当時、田中はデニム地のヒザ上丈のタイトスカートを着用していた。被疑者は埼玉県在住の55歳の会社員で、取り調べに素直に応じているという。

 田中は、向かい側に座る被疑者がスマートフォンを腹部前で立てるように持っていたことに不審に感じたといい、その後、田中が席を立ち被疑者のスマホをのぞいたところ、動画撮影画面であることを確認。同時に、男性が慌ててスマートフォンを横にして映画などの動画を見始めたことから盗撮を確信したという。被疑者が下車した駅で降り、トイレに入ったところで駅員に通報。出てきたところを駅員が確保した。

 田中は「このたびは大変ご心配をおかけしました。本当に怖かったです。もし痴漢に遭ったら大きな声を出そう、犯人の手をつかんでやろうと決めていました。しかし、いざ目の前の人が盗撮をしているとわかっても、パニックになり、声すら出ませんでした。体がカチカチになり、頭が真っ白になりながら、ふらふらと犯人を追うのが精一杯でした」と振り返った。

 警察の取り調べ中は落ち着いていたというが「家に帰ってから震えが止まりません。自分の弱さを思い知りました。しかし、情けないながらも、犯人を捕まえられたことは、次の被害を未然に防いだかもしれないので、よかったと思っています」。

 さらに、今回の一件で引っ越しを決意。「犯人と同じ駅を利用することを考えただけで怖くて仕方ありません。盗撮した犯人は『なんでそんな大げさな』『暴力をふるったわけでもなく、ただ撮影しただけじゃないか』と言うかもしれません。しかし、これが盗撮された女性の当たり前の気持ちなのです」と主張した。