志村ショックで“ひな壇芸人”が絶滅危機? ザ・ドリフターズの志村けん(70)が新型コロナウイルスによる肺炎で入院闘病中で、テレビ界にも大きな波紋が広がっている。TBSでは、100人を超えるひな壇芸人たちが出演する「オールスター後夜祭」が中止。関係者の間で「このままコロナ禍が収まらなければ、ひな壇芸人の番組がなくなるかもしれない」という悲痛な声が上がるなか、最も影響を受ける芸人として、あの“お笑いモンスター”の名前が挙がっている――。

 決して楽観できない志村の病状に、芸能界が大パニックに陥っていることは本紙で既報した通り。テレビ業界では、バラエティー番組の収録を無観客で行ったり、スタッフはマスクを着用、出演者にも手洗い、うがい、アルコール消毒を徹底するなど、さまざまな対策が取られている。

 そうした中、TBSでは4月4日放送の「オールスター感謝祭2020春」で、恒例となっている「赤坂5丁目ミニマラソン」を今回はTBSの社屋がある東京・赤坂では行わないことを決定。午後8時から4時間にわたって生放送するものの、コロナ対策にかなり配慮した内容になるのは間違いない。

 また、同日深夜に放送予定だった「オールスター後夜祭」は、中止することを発表した。この番組は「オールスター感謝祭」のスピンオフパロディー番組で、同じセットを使って有吉弘行がMCを務め、100人を超えるひな壇芸人たちが出演する。

 過去には、「オールスター感謝祭」で島田紳助氏がお笑いトリオ「東京03」を恫喝したことをネタにした“恫喝コント”を有吉が披露するなど、攻めた笑いが話題になった。

「後夜祭は現在のバラエティー番組の主流になっている、ひな壇芸人たちが笑いを作る番組の豪華版と言っていい」(テレビ関係者)

 だが、あの志村まで感染してしまったコロナにより、番組中止という事態になってしまった。

「ついにタレントからもコロナ感染者が出てしまったことで、テレビ局もさらなる厳しい対策を取る必要が出てきた。このままコロナが終息しないようだと、番組作りが大きく変わってしまうかもしれないよ」(同)

 政府の専門家会議では、最も感染リスクを高める環境として、3つの条件が重なる場を挙げている。その3つとは「換気の悪い密閉空間」「多くの人が密集」「近距離での会話や発声」というものだ。

「この3条件が同時に重なる現場こそが、ひな壇芸人が大勢集まるバラエティー番組の収録現場だからね。出演者のほかにも大勢のスタッフ、タレントのマネジャー、そのうえ、普段なら一般のお客さんもいる。局の上層部は今後、コロナ対策として環境改善に乗り出す。そうなると制作サイドも次第に作り方を変えざるを得ない」(同)

 今回は、本家の「オールスター感謝祭」は放送されるが、コロナ禍が収まらないことには、本家にも影響が出てくることは確実だろう。

 ひな壇芸人が集まる人気バラエティー番組といえば「アメトーーク!」(テレビ朝日系)、「ウチのガヤがすみません!」(日本テレビ系)などが代表的だが、最も影響を受ける芸人として、あの“お笑いモンスター”の名も挙がっている。

「それが明石家さんまさんですよ。さんまさんの番組は日本テレビの『踊る!さんま御殿!!』やフジテレビの『さんまのお笑い向上委員会』など、ひな壇トークがほとんど。上層部が『ひな壇芸人なしでやれ!』とか、ムチャなことを言わなきゃいいんですが」(バラエティー番組スタッフ)

“さんまに飛び火”というまさかの事態も起こりかねないコロナ騒動は、テレビ業界の大きな分岐点になるかもしれない。