大阪のライブハウスで新型コロナが感染拡大した本当の原因

2020年03月11日 17時00分

 大阪府では10日、新たに男女18人の新型コロナウイルス感染者が確認され、計73人となった。うち少なくとも6人は大阪市内のライブハウスで開かれたイベントに参加。府内の複数のライブハウスで小規模な感染者集団「クラスター」が発生し、全国各地から訪れた人へと感染が拡大した最大の要因は何だったのか。

 政府の対策専門家会議は9日、クラスターが確認された場所に共通することとして(1)換気の悪い密閉空間だった(2)多くの人が密集していた(3)近距離(互いに手を伸ばしたら届く距離)での会話や発声が行われた――という3条件が揃った場合との見解を示したのは本紙昨報通り。

 ライブハウス「Arc」でクラスターが発生したのは先月15、16日。窓のない会場に100人を超える観客が訪れ、身動きも取れないほどにぎわっていたという。

 大阪市保健所も「閉鎖された空間に大人数が集まり、ライブなので声も発していたと思われる。今、専門家会議などで一番危険といわれている状況だったのだろう」と推測する。

 ライブハウスは音漏れ防止などのため、気密性が高いところが多い。重症急性呼吸器症候群(SARS)流行時には「スーパースプレッダー」と呼ばれる多くの人への感染源となった患者の存在が指摘されたが、新型コロナでは、一部で疑わしい事例はあるものの、感染者の8割は他人に感染させていないという厚労省のデータも示された。

 保健所も「はっきりとは分からないが、うつす人、うつさない人の個人差もあるし、感染した側の免疫力の問題もあるのでは」とみている。

 大阪のライブハウスだけに感染を拡大する原因があるわけでもない。

 ある医療関係者は「たまたま大阪のライブハウスに行った人の中に、症状がひどくなった人が出た。それでPCR検査を受けて陽性と判明し、行動が洗い出されて、ライブハウスに行ったことが判明。参加者を調べたら、どんどん出てきたということ。ライブハウスの形状は全国でそう大差はなく、無症状でPCR検査を受けていないだけで、どこでも起きている可能性がある」と指摘する。