俳優・石橋蓮司(78)、女優・桃井かおり(68)らが9日、都内で行われた映画「一度も撃ってません」(4月24日公開、阪本順治監督)の完成報告会に出席した。

 名優、名脇役として名をはせる石橋が18年ぶりに主演を務め、売れない小説家・市川進役を演じた。理想のハードボイルド小説を書こうと本物の殺し屋を取材する市川が周りを巻き込み、人生最大の騒動を巻き起こすハードボイルドコメディーだ。

 共演陣は大物ばかりで、会見に登壇したのは桃井を始め大楠道代(74)、岸部一徳(73)、小野武彦(77)、佐藤浩市(59)、江口洋介(52)、渋川清彦(45)、妻夫木聡(39)、井上真央(33)、前田亜季(34)と主役級のキャストがズラリ。そこにプロレスラーの新崎人生(53)が加わるユニークさもある。

 これだけ豪華なキャストが揃ったのは、桃井によれば「原田芳雄さんの家に集まった時に『今度は蓮司さん主役でやりましょうよ、みんな出るよね?』と声を掛けました」と“号令”を掛けたからなのだとか。佐藤も「阪本監督に『石橋蓮司の最後の主演作になる』と声を掛けられたような」と言うと、石橋は「キャスティングを見た時に、どうやってこの人たちを説得したのかと思ったけど、そう(遺作になる)言って集めたのか」と笑わせた。

 撮影中には石橋が映画さながら、警察のお世話になりかけたそう。「撮影場所近くの車で待機してたら、その横を通り過ぎたパトカーがバックして戻ってきて『窓を開けてもらえませんか』と言ってきた」。しかし「『なぜ、窓を開けなきゃならないんだ!』と言ったんですね。それが長引いて、応援のパトカーまで来るところでした」と頑固一徹な態度を示したために、大騒ぎになりかけたというのだ。

 直後にスタッフが慌てて「どうしたんですか!」と間に入ったそうだが「オレは児童劇団のころからやっているのに、知られていないのがショックだったよ」と苦笑いだった。